なりきれない女の雑記

なりきれない女の雑記

現実と虚構に溺れる毎日。

ウマーベラス!な火鍋でパーリーナイッッ

鍋が美味しい季節になってきた。昨日は約20年弱も付き合いのある親友M*1と数ヶ月ぶりに夕飯を食べた。定時に職場を出て銀座の街を小走りで駆け抜ける。雨が降ってる中、何故そんなに急ぐのか。数ヶ月ぶりの友人との再会が楽しみだから…それもあるけど、違う。今日の夕飯は「火鍋」だからだ!!単調で退屈な日々の中、身体中があの痺れる辛さの刺激的なスープを欲していた。「火鍋食いたいっっ」心が叫んでたんだ!!!

 

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私が火鍋と出会ったのは2~3年前、Mが連れて行ってくれた「天香回味(テンシャンフェイウェイ)*2だった。ちなみに火鍋とは、陰陽のマークをかたどったような仕切りのある鍋の一方に豚や鶏ガラをじっくり煮込んだ白湯スープ、もう一方に唐辛子・花山椒の効いた赤い麻辣スープが入っており、そこに野菜やキノコやお肉を煮込んで食べる中国の鍋料理だ。鍋が仕切ってあり2種類のスープがあるものと、赤い麻辣スープのみのものもあり、火鍋といっても店によって様々だ。ここは2種類式。私はここで火鍋バージンから卒業し、Mと会う時はしょっちゅう通っている。

「天香回味」の火鍋はなんといってもスープが美味しい。白湯(回味)スープの方は野菜や肉類の出汁がしっかり出ていて、こくがありつつすっきりしている。麻辣(天香)スープの方は、沢山の香辛料が複雑に絡み合い、体中がこのスープの香りを放ってしまうのではと思うほど香り高く、一口で人を恍惚とさせる魔力がある。決して辛くて刺々しく火を噴きたくなるようなものではなく、飲むと体がポカポカじんわりと温かくなるような辛さ。棗や高麗人参、クコの実を含む数種類の漢方植物の深い味わいがやみつきになるのだ。そこに野菜やキノコをこれでもかと投入する。山伏茸、タモギ茸、アワビ茸、霊芝茸、アガリクス茸、花びら茸・・・スーパーじゃなかなかお目に罹れないキノコたちがスープの中で踊る。シコシコキュッキュッとした背徳的で楽しい触感とスープの旨味でいくらでも食べられてしまう。途中で、すっかり脇役と化したお肉をしゃぶしゃぶし、おでこに光る汗を拭き、キノコを追加注文し、締めに中華麺(ここは翡翠麺)を投入。チュルチュルしたコシある麺にたくさんの具材の旨味が詰まったスープが浸みて、また泣きそうなほど美味しいのだ。美味しすぎてもう1ラウンド行けそうな気がしてくるけど、キノコがおなかで膨れ、だいぶ破裂寸前だからやめとけ。えも言わぬ多幸感とスープの残り香とともににこやかに終電に乗るのだ。

 

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そんな一連がMとの火鍋パーリーナイトのお決まりのパターンだった。さんざん「天香回味」の火鍋について熱く語ったが、昨日行ったお店は実は違うところ。火曜日にも関わらず銀座界隈の店舗がすべて満席だったのだ。ショックを受けつつも、お互いもう火鍋の事しか頭になく(一度食べると決まると脳と口の中がそれ以外受け付けない火鍋の魔力)、Mが代わりの店を猛烈に検索してくれて、火鍋難民の私たちがたどりついたのは銀座コリドー街の「天丹(テンタン)」

とりあえず飲み物と前菜でお腹の準備運動をし、ぐつぐつしてきた鍋に野菜を投入、たれ(店員さんが好みを効いて作ってくれる)の器を手に、いざスタート。辛うま!山椒の香りが鼻を突きぬけ、舌がピリピリ痺れる。でも後味爽やかで「どんとこい、受けて立つよ」と俄然スイッチが入る辛さ。ここは辛さを選べるのだけど、真ん中でこんな感じ。(※感じ方には個人差があります)アドレナリンに火が付き、Mとくっちゃべりながら、どんどん口に運ぶとすぐ具材がなくなったので追加。ここは肉の量が結構あるので、がっつり食べたい人や男性にはいいと思う。ただ、キノコはスーパーで売っているようなものだけなのでキノコ愛深めの私たちには少々物足りなかった。セットの野菜もちょっと少ない。でも締めに寒天麺を頼んだのだけど、これが大当たり。くずきりのようなくにゅくにゅもちもち歯ごたえのある太めの寒天がスープと最高に合う。

若干日本語が得意でない店員さんでかみ合わないところあるけど、まめにスープを足してくれるし、デザートをサービスしてくれたし、前菜美味しかったし、結果とてもよかった。北京ダックとかもあるようなので、次回は普通にアラカルトで単品料理も食べてみたい。しかしながら、他の男性を知って今の男性の良さを知るように、初恋が一番美しく見えるのと同じで、やはり私たちにとっては「天香回味」が最も好きだということが分かったので、次回またリベンジしようと固く誓ったのであった。

 

薬膳火鍋専門店 天香回味[テンシャンフェイウェイ]

銀座 元祖薬膳火鍋 中華料理 個室あり | 天丹 銀座本店

 

最後に、最近ハマっている「ウマーベラス」の動画。サンドウィッチマンかわいい。火鍋は沢山食べてもどうせ翌日モリモリ出るから、ゼロカロリー♪♪笑


MONKEY MAJIK × サンドウィッチマン / ウマーベラス(歌詞付き)

*1:中高の女子校時代に出会った親友であり悪友。学生時代は同じ男に惚れ、教室のカーテンの中で泣き合ったことも。いまや超エリートのキャリアウーマンで見た目も美しいのに中身は愛すべきオッサン。このブログにもたびたび登場すると思う。

*2:回し者じゃないよ。ただ好きなだけ。

『僕らは奇跡でできている』に癒される火曜

『大恋愛』『獣になれない私たち』に続いて、この秋楽しみに観ているドラマがある。『僕らは奇跡でできている』。今期も正直フジテレビには期待していなかったけど、こちらは丁寧に作られた良作。それもそのはず。脚本は「僕の生きる道」シリーズを書かれた、ヒューマンドラマを得意とされる橋部敦子さん。先述のドラマ2つで心をギュインギュイン揺さぶられるので、火曜日は高橋一生に穏やかに癒されよう。

 

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動物行動学を研究している大学講師・相河一輝(高橋一生)。物事や行動に対して「こだわり」をもち、興味を持ったことには一直線で、周りのことはおかまいなしのトラブルメーカー。まるで、カルテットの家森諭高をより純粋に子どもにしたような性格で、これは高橋一生じゃなきゃ演じられないと思わせるほどぴったりな役柄。ドラマでははっきりとは言わないけれど、たぶん発達障害と思わせるような描写がある(一つの興味ある物事に執着しすぎるあまり、周りの状況把握や対応ができないところとか)。様々起こる騒動の中で彼が発する言葉の端々に、一生懸命好きなこと向かって真剣に生きてきた人間性が垣間見える。彼のとめどない好奇心や突拍子もない行動に、学生たちや一輝が通う歯科の院長・水本育美(榮倉奈々)など周りは振り回されるのだけれど、正しいと思い込んでいる常識は実は大したことじゃないかもしれない、と凝り固まった脳みそを少し柔らかくしてくれる。「大人としてこーあるべきとか、空気が読める読めないとか“そんなこたどーでもいい”」と思わせてくれるハートフルなドラマだ。

 

特に、歯科医院で知り合った小学生の虹一(川口和空)とのやりとりは秀逸。虹一は一輝の子供のころそのままで、興味があることが他にあると、今やるべきことへの集中が散漫になってしまう。そんな虹一に対し母・涼子(松本若菜)は「なぜ他の子のようにできないのか」と抑圧的に接する。母の目を気にして好奇心を抑えて生活する虹一を、一輝は「謎を見つけるぞ!」と森や動物園へ冒険に連れ出す。第3話ではその一輝の行動は騒ぎにもなるが、周りの迷惑や心配をよそに「一輝くん!○○を見つけたぞ!こんなことあったぞ!」とキラキラした顔で夢中になってに話す虹一を、一輝は同じく笑顔で温かく迎えるのだ。まるで同じ年の友達同士のようなその二人の姿が眩しくて、気が付くと目頭が熱くなった。

この物騒で世知辛い昨今、知らない人に犯罪に巻き込まれるリスクももちろんあるから一輝の行動は一概には良いと言えなくとも、子どもの「あれってなんだろう」「こんなの見つけた」という好奇心に満ちた話を聴いてくれるような、一つの個性として自然に接してくれる大人が身近に一人でもいると、子どもたちの可能性って無限大なんだよなって思う。それは親でも学校の先生でもいいし、ご近所のおじちゃん・おばちゃんでもいい。普段忙しくて、子どもの話に構っている暇はあまりないのかもしれないけど、心の余裕やモノの見方について問いかけられている気がする。(もちろん子どもの発達において、無視できない脳の異変もあるけれどさ。)

 

このドラマの好ましい点は、一輝の苦悩した時代もしっかりと描かれているという点。「なぜ自分は人と違うのか」「周りとうまくできないのか」と幼少期に一輝が悩み、苦しい思いをたくさんしてきた子ども時代をきちんと描いていて胸をチクンとさせる。でもその時代を描くことで、一輝を優しく包んでくれる祖父の存在や、一輝が唯一遠慮なく我儘を言える家政婦の山田さんの存在が、より一層温かく映る。そしてその過程を経て、今のびのびと好きなことを楽しそうにやっている一輝のキャラクターが、より尊く見えてくるのだ。

 “最近やっと仲良くなれました。「自分」と。”

育美から友人について問われ、返したセリフに私は号泣してしまった。一輝も自分が大嫌いだった。そんな嫌いだった自分を好きになることは難しい。私もやりたいことをやりたいだけやって、生き生きした大人になりたかったけど現実は果てしなく厳しかった。夢を叶えられなかった自分を大嫌いになった時期がある。でも命は短い。どうせならたった一人の自分と仲良くいられたら、より人生は豊かに感じられるだろう。好き嫌いは分かれるとは思うけど、私はこの世界観とても好きだ。育美や今どきの学生たちが一輝から影響を受けて、どう変わっていくのかを楽しみに最終回まで観続けたいと思う。

『大恋愛』でムロツヨシにときめきが止まらない件

秋ドラマが中盤を迎え始めている。 今好きなドラマは何?って聞かれたら、私は『大恋愛』と答えると思う。と言うのも主役の二人が大好きすぎるから贔屓目ってのもあるけど、意外な二人なのに超しっくりくるのだ。戸田恵梨香はもちろん、ムロツヨシも可愛すぎて。どんな彼女でも愛しているとはっきり言葉にし、パニックになる彼女の元へ駆けつける真司を演じるムロツヨシの姿は、テレ朝で変な魔法をかける金髪おかっぱだったことを忘れさせるほどにイケメンだった。あれ、おかしいな。こんなにムロに心臓がギュンギュンするなんて。笑

 

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産婦人科医としてキャリアを積み、優秀でイケメンな将来有望すぎる精神科医との婚約も決まって順風満帆な人生を歩んできた北澤尚(戸田恵梨香)。そんな彼女が結婚生活を送るための引越しで、業者としてきていた間宮真司(ムロツヨシ)と出会う。真司は、尚が昔から大好きで大切にしている小説の著者だったのだ。婚約者がいる身ながら、真司に運命も感じた尚は積極的にアプローチする。処女作以降ヒットに恵まれず、長らく小説から離れ、ただ生きるために働いて無気力な日々を送っていた真司も、尚の猪突猛進さに驚きつつもすぐに恋に落ちる。婚約者・井原侑市(松岡昌宏)に別れを告げて真司との恋に突き進もうとするも、尚が若年性アルツハイマーの前段階であることが発覚してしまう。

ストーリーは10年という長い年月をたった10話で見せるために、結構急ピッチで展開する。真司と出会い、恋に落ち、最近の第4話で別れるとこまで来てしまう展開はまるで光の速さ。自分の理性とは別に本能で好きになっちゃうってこういうことじゃない?という潔さが私は心地いい。人を好きになるのに時間とか説明とかいらないのだ。脚本を書く大石静さんらしいストーリーだと思う。確かに、そんな細かいことなんてどうでもよくなるほど、尚と真司の二人がとにかくいいのだ。

 

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何と言っても主役を演じる戸田恵梨香が、さすが過ぎて。もともと私も大好きな女優さんで、この世代の女優さんの中で勝気でハイキャリアな女性を演じさせたら右に出るものはいないんじゃないかなとは思ってたけど、このドラマで女優としての幅の広さを感じた。真司に見せる安心感に満ちた屈託のない笑顔と、内側から溢れ出る「大好き」という気持ちが、まるで初めて恋をしている少女のようにいじらしくため息が出るほど可愛い。その一方で、今まで順風満帆に進んできたと思ったのに、自分が自分でなくなっていくという、急に足元からガラガラと崩れ始めていくような恐怖や、先のことが見えなくなる不安感を見事に演じている。これから病気が進行し、笑顔が少なくなっていく様は辛いけど、戸田恵梨香の演技力なら安心して観ることができると確信している。

 

そんな難しい役どころの戸田恵梨香を支えつつ、見事に光を放っているムロツヨシ。今までNHKのコント番組「LIFE!」や福田雄一作品でばかり観ていたので、どうしても三枚目のイメージが抜けず、「男」というより「ムロさんという生き物可愛い」という愛でるような目で観てしまったけど、ほんとすみませんでした。素晴らしい俳優さんでした。親に捨てられ、小説家としてデビュー以降脚光を浴びることなく、過ぎていく日々をただただ虚しく不毛に感じながら生きてきた姿が、ムロツヨシという一人の俳優が今に至るまでと重なり、真司というキャラクターの深みがグッと増している。この役はムロツヨシじゃなかったら、ここまでこのドラマは話題にならなかったかもしれない。

真司の無機質で単調な生活が、尚が現れたことによってどんどん色づいてきて、寒々しく見えたアパートの部屋がなんだか温かみを帯びた空間になっていくのが、真司の表情と声色の変化でよくわかる。口ではくだらないことを言っても、その裏で尚を一生懸命笑わせようとするセリフの一つ一つに愛が溢れてて涙が出る。回を重ねるごとに男気を増し、愛情に満ちたこんなに優しい空気をムロさんから放たれるなんて。毎週金曜にこんなにムロツヨシに揺さぶられるだなんて、誰が想像しただろうか。笑

 

その二人の裏で、元婚約者の精神科医・侑市は、口うるさい母親に急かされ新たに婚活をしつつも、尚を愛する気持ちを確信していく。侑市は医者としてのキャリアも家柄も男としてもパーフェクトなのに、自分の本当に大切なものを手に入れられないとても切ない役どころだ。真司との対比の役割的にも不可欠な存在。TOKIOの松岡くんも、これまた普段の農業や無人島でのワイルドさややんちゃな兄貴的なイメージを封印し、理性的で計画通りに生きてきたクレバーな男性を見事に演じられている。世間から見たら圧倒的に侑市の方が結婚には最適な男性なのに、どうして尚は真司に一瞬で惹かれたのか。それは、自分を支えてくれた小説の作者だからというだけでなく、そのセリフや文を書く心にすでに惚れていたからなのだろう。出会う前から尚の本能に「好き」だとプログラムされてて、実際会ってしまったらもう抗えない運命としか説明できないのだ。奪われた側の侑市にはどうか婚活で自分を支えてくれる伴侶と出会い、幸せなエンドを迎えて欲しいと願わずにはいられない。

 

真司の書く『脳みそとアップルパイ』の結末は幸せなものなのか、悲しいものなのか。どちらに転んでも、『大恋愛』は私の好きなドラマ作品には変わらないと今から確信している。(ちなみに『絞って、そして私を乾かして』も読みたい。笑)真司が初めて食べたアップルパイの感想が「うまかったけど、食いにくかった」だった。真司にとって尚との日々が「大きくて食いにくかったけど、本当にうまかった」ものになりますように。金曜を楽しみにして、また一週間仕事を頑張ろうと思う。コメディでもラブストーリーでも、ムロツヨシ大好きだよーーー!笑

『獣になれない私たち』に共感しすぎてしんどい

金曜日。穏やかに終わって欲しいと思っていたのに、クライアント社内のデータ管理があまりにも酷くて、本来うちの会社がやらなくていい業務に時間を取られてしまった。一旦やんわりと断ったのに、直に弊社社長に泣きが入り、それで社長は「なんとかならんの?」って言ってくるから渋々やらなきゃいけなくなった。下請けだから仕方ないけど、納得感がないまま終わった週の終わりはなんだか虚しい。こんなとき思い出すのは逃げ恥のみくりが言った「これは搾取です!」という主張。ああそうだ、私たちは搾取されているんだ…平匡がいる303号室に帰りたい…来週はけもなれ第5話か、恒星殴られちゃったな、田中圭かっこいいよな…。そんなことを考えながらexcelで作業を進めていった。

 

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派遣先の紹介で正社員として就職したECサイト運営会社で働く深海晶(新垣結衣)。ここの社長・九十九(山内圭哉)はとにかく短気ですぐ怒鳴るし、深夜休日問わずひっきりなしに仕事の連絡をしてくる暴君。社長秘書も辞め、その暴君に応えられる営業社員がおらずクズ社員ばかりのため、営業アシスタントの晶が管轄外も含めて全ての業務をこなし続ける毎日。プライベートでは4年付き合っている大手デベロッパー社員の花井京谷(田中圭)との結婚を考えるも、京谷から決定的な言葉はなく、はぐらかされてばかり。そんな体力的にも精神的にも疲弊しきった30歳の晶が、街のクラフトビールバー「5tap」を舞台に、毒舌で他人とドライに一線を引く公認会計士の根元恒星(松田龍平)と親しくなっていく。

晶は父親の暴力と母親のマルチ商法依存など複雑な家庭環境で育ったが故に、自分の本音や怒りのさらけ出し方が上手くない。本心を隠す笑顔を盾に、どんどんと自分を追い込んでしまう。一方で一番彼女のそばにいるはずの京谷も、優しいが故に元カノの朱里(黒木華)と縁を切れず、晶と一歩踏み出せずにいる。挙句の果てに奔放で肉食系のデザイナー・橘呉羽(菊地凛子)の誘いにも流され関係を持ってしまう。それを晶に直接責められる訳でもなく、ただただ自分の不甲斐なさを体育座りで反省するしかできない男だ。恒星はいつも笑顔でバーに来る晶を見て「キモい」と言い放ち、晶の本心を見透かして痛いところを突いてくる。でもなんだかんだ今一番彼女のそばにいるのは恒星で、そんな2人も未遂だったが一夜を共にする。

 

脚本を書く野木亜希子さんは、本当に現代の女性をよく観察されている。逃げ恥では小賢しいと言われるほど主張のしっかりした女性を描き、アンナチュラルでは自分の過去を乗り越え仕事にやりがいを見出す女性を描き、次に描いた新たなヒロインは「頭でっかちな神経すり減らし女」だった。

「バカになれたら楽だろうね」

私自身も何度思ったことか。真面目すぎる自分が嫌になることもある。晶ほどじゃないにしろ、神経をすり減らして生きている。それが大人になることかとも思っていた。本音を言えば角が立つから、状況を飲み込み、波風を立てないように慎重に言葉を選んで口から吐き出す毎日。テレビのニュースでイベントの度にバカ騒ぎして人様に迷惑をかけてる人達を観て、「バカだなぁ」と思いつつも、楽しそうな姿を少し羨ましくもある。もちろん、人様や公共の場で迷惑をかける行為を肯定するつもりも無い。ただ、一瞬の快楽のためにここまで全力をかけられる人達や、目的に迷いなく進む人がたまに眩しく見えることがある。そういう爆発したい何かを抱えつつ、毎日が滞りなく終わるよう過ごしている人は多いんじゃないだろうか。尋常じゃない業務、セクハラやパワハラに耐え、彼氏の不甲斐なさにも耐える晶の姿を見て「観ていて辛い」「ドラマでまでこんな辛いの観たくない」というTwitterに上がる感想を観て、結構皆同じく大変なんだなと思った。

一方で、奔放な呉羽や晶を悩ませる職場の上司&同僚たちが果たしてバカに分類されるかと言えばそれは違う。そもそも獣=バカではない。本能や自分の欲が欲するまま生きることはバカなことではない。獣たちは生きるために必死に自分やテリトリーを守っている尊い生き物だ。タイトルの「獣になれない私たち」とはその獣にすらなれない人間たち、という意味が込められているんじゃないかと思ってしまう。晶が憧れるのは、大切にするもののベクトルが常に自分に向いていること。だから一回自分当たり前だと思っていた価値観や概念をぶち壊し、一度無垢なバカになるしかないのだ。

確かに、ドラマの中の晶は本当にしんどい。幼少期は親に甘えられず、嫌われたり見放されることを恐れて「良い子」でいるしかなかった彼女は、本気で誰かに甘えることができずに限界まで来てしまった。どんな苦境でもめげない強い心、場の空気を読む、いつでもポジティブでいること…そんな社会で良しとされている大人像がプレッシャーとなり、心に鍵をかけていく。「私も晶じゃん。」といつの間にか晶を自分と投影させて観てしまっている。もちろん、見た目は180度違う。(当たり前だ、ばかやろー!笑)だから、晶が一歩踏み出そうとするのをソワソワしながら観てしまう。どんどんと感情が出て「良い子」ではなく「バカ」になろうとする晶を応援している自分がいる。

ネット上の感想は評価する人としない人で大きく割れている。つまらない、共感できない、様々だ。「なぜ晶は現状を打破できないんだろう」私もそう思う。ドラマだから色々な評価があって全然いいと思う。でも誰しも大人になったら晶のような部分や、恒星のような部分、そして呉羽や京谷の部分を織り交ぜながら、ぐちゃぐちゃにして生きているんじゃないかな。負の部分を際立たせて描かれたキャラクターたちの変化を見せてもらい最高のカタルシスになるのを期待し、今のところ作り笑顔しかしてない新垣結衣のキラッキラな本物の笑顔を見届けるためにこのドラマを観続けたい。

平成最後で最高の冬にしたい。

はてなで何書こうかなぁと考えているうちに時間ばかり過ぎそうなので、とりあえずキーボードをたたくことから始めることにする。最近のことはアメブロに少し書いていたので、内容がダブるけど徐々に移行していくつもり。

今回は、世の中が「平成最後」とうるさいので、ミーハーな私も便乗して、あと平成最後の冬を最高にするための予定(目標?)をただ思うままに書き記したいと思う。

 

ライブおひとりさま参戦

去年、星野源のライブに一人参戦してから「あ、ライブって一人で行っても楽しいんだー!」と知り、今年は臆することなくライブ抽選に片っ端から応募し、見事に宇多田ヒカル椎名林檎のライブに当選することができた。(ミスチルは撃沈。行きたかった。)たぶん今年の運この2つで使い果たしちゃったかもしれない。いや絶対そうだ。お金は飛んでいったけど、こんな機会めったにないから痛くもかゆくもない。馬車馬のように働くだけだ。この2人の女神のためなら喜んでこの身を捧げるわ。

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宇多田ヒカルを目の前で観たら死ぬかも

デビューの時から大好きだ。小学5年生のころ、転校生でメガネでひょろひょろした体と出始めた早熟ニキビで同級生からいじめの対象となり暗黒の小学校高学年を迎えていた少女は、テレビで「Automatic」が流れると「かっけぇぇ!」と全身の毛穴が開くような興奮と衝撃を受けた。The真面目お嬢様スタイルだった私も当時流行っていたアディダスの3本線のジャージにだぼっとしたパーカーを着て、家のソファで一人Automaticを嗜んだものだ。さらにはお昼休みの給食の時間は放送委員という特権を使って宇多田ヒカルを流しまくって、GLAYの「However」を流したいギャル系の同級生にブーイングを受けたが決して譲らなかった。それからずっと彼女の曲を聴いているし、カラオケでも絶対歌うし、気が付いたら口ずさむほど私の生活の一部。彼女の曲と歌詞に何度も何度も救われた。彼女が年を重ねて書く歌詞は、大切な人が多くなった私にもリンクすることが多くなり、自然と涙が出る。宇多田ヒカルという方だけは、私にとって別格過ぎる人。そんな憧れの人の音楽を目の前で聴けるなんて。私もうすぐ死ぬのか?ライブの日を命日にしないように、気をしっかり持って万全の体調で臨みたい。笑

林檎様にひれ伏したい

さらに、林檎姉さん!!!!仕事終わりに『人生は夢だらけ』を聴きながら銀座を歩くと、なんだかこの世は私で回ってる感が心地よくて、バカなクライアント相手で疲れ果てた私の心を癒してくれる。はまっている期間はそんなに長くなく、むしろウォータリングキスミントのCMで東京事変を聴くようになってからくらいなので、浅いっちゃ浅いんだけど好きなのだ。前にGyao期間限定の無料配信で数年前のライブを観たのだけど、そりゃあもう・・・言葉失うくらいとにかくかっこよかった。音楽性も女性としても。レトロなピンナップガールとか、安野モヨコの『さくらん』とかああいう世界観とかビジュアル大好きなんですが、あの何とも言えない妖艶な世界観とか人間の情念とかが、音楽に昇華されてて最高に聞いてて気持ちいい。ロック、なのに歌謡曲や演歌のような感じ。エレカシ宮本さんとのコラボの新曲『獣ゆく細道』も歌ってほしいけどどうなんだろう。NEWS ZEROは微妙だけど、この曲はアガる。こんなカッコいい林檎姉さんのライブを拝むのに、何着てけばいいの?笑

 

なにはなくとも痩せる

身長が高いので今まで体重を気にせず油断していたのだけど、とうとう健診のBMIでも「やせ気味」から「標準」になってしまい、自分史上最高に太っている今。付き合って12年&結婚して3年の夫にも「ほんと顔丸いし、太ももやばいよ」って真剣な顔で言われるし、親にも「正月までには痩せようか」ってしみじみ言われるし。自分でもわかっとるわ!体重くて動きにキレがないし、服がパツパツでカッコ悪い。身に着けてる物は良くてもイイ女になりきれない。30過ぎて本当に代謝が衰えて脂肪が落ちないということも理由の一つだけど、自分が堕落しきった生活だったことは否めない。分量わからないバカなので二人分とは思えぬごはん作って食べて、さらに深夜帰りの夫が買ってきたアイスを喰らう日々。そりゃ太るわ。自分の老化と怠惰を認め、なんとか5キロは落そうと思う。運動だ、運動!!燃えろ、脂肪!!笑

 

生理痛に振り回される自分とサヨナラする

ちょっと子宮に色々不具合が見つかったので、とにかく禁煙。ピルを飲む。婦人科に定期的に通う。仕事の忙しさを理由にして、自分の体を後回しにしていた。『忘却のサチコ』の「忙しさを理由にするのは無能と宣言しているのと同じ」というサチコのセリフ。ほんとその通りすぎるので、身体メンテも仕事のうちとして肝に銘じる。子ども作る予定は近々あるわけじゃないけど、酷い生理痛とは早くおサラバしたい。

 

クライアント訪問時は黒革ライダースととんがったブーツで

いや、できないけど。笑 私、ITアウトソーシング関連の零細企業で飼われている働いている社畜正社員なんだが、今やっているドラマ『獣になれない私たち』の新垣結衣演じる深海晶と状況がめちゃくちゃ似ている。事務で入ったはずなのに、営業のようなこともさせられ、クライアントの担当者がバカ無計画すぎて振り回されっぱなし。完成しかけた仕事を途中で企画変更とかで壊されやり直させられる毎日は、まるで賽の河原。助けてぬ~べ~*1!うちの社長が大口のクライアントであるその企業を切るはずもなく、何とかこの状況を打破するためにも、晶のように勇気を振り絞って「改善要求」をしていきたい。チキンなのにできるか?私。とりあえずここに恒星*2呼んで。強制的にオーフッ!してくれる人欲しい。

 

そのほか、夫に優しくするとかいろいろあるけど、書くときりがなくなってきたのでこの辺でやめることにする。

それにしても書きやすいな。まだ機能使いこなせないけど・・。はてなのブロガーさんは文章多めの方が多いから、書くのが好きな私も気兼ねなく書くことができる。というかアメブロでいかに写真とか貼らなきゃって気にしていたか・・・。マメに更新できるかわからないし、誰が読むわけでも褒めてくれるわけでもないけど、これからも書き続けたい。ブログとは自己満足の塊だものね。

お読みいただきありがとうございました!

*1:「鬼の手」を持つ霊能小学校教師の「ぬ〜べ〜」こと鵺野鳴介。妖怪や悪霊を退治する子供向け漫画のあれ。

*2:松田龍平演じる会計士・根本恒星。不器用さとエロスの塊。