なりきれない女の雑記

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現実と虚構に溺れる毎日。

『エミリー、パリへ行く』を観て。

10月からNetflixで配信されている話題の『Emily in Paris(エミリー、パリへ行く)』。かつての大人気海外ドラマ『Sex And The City』のクリエイターとファッションディレクターがタッグを組んで制作された新ドラマシリーズで、日本でも連日トップ10入りの人気作となっている。アプリを開くたびにおすすめに上がっていたので、一気に観てみたよ。

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あらすじ

シカゴの大手マーケティング会社で働くエミリー(リリー・コリンズ)は、妊娠中の上司に代わって、会社が買収したフランスのマーケティング会社に出向することに。エミリーに課せられたミッションは、“アメリカの視点やノウハウ”をフランス人に教えること。パリでの生活を夢見ていたエミリーは、エレベーターなしのアパートや階数の数え方の違い、道端の犬のふん、シャワーの故障への対応など、早速フランスとアメリカとの違いに驚かされる。また、フランス語を話せないエミリーを「田舎者」と小馬鹿にする上司や同僚は、仕事へのモチベーションも異なり、セクハラの意識もない。さらに、クライアントはエミリーを当然のように愛人対象の一人と見てきて、「La Perla」の高級下着を送ってきたりする。そんな風に”フランス的な歓迎”を受けながらも、エミリーが持ち前のポジティブさで面白おかしくInstagramに投稿する。そのおかげで、売り上げが低迷していたフランスの老舗ファッションブランドも再び話題になって、エミリーはインフルエンサーとしても実力を発揮していく。

 

こんだけ思い通りに事が進んだら人生楽しいんだろうな

まずは、ただのやっかみであることは認めるとして、これしか出てこない。アメリカの大都会シカゴで生まれ、マーケティング修士号を持ち、ストレートで大手マーケティング会社に就職し、出向とはいえ夢見ていた海外勤務のチャンスに恵まれること自体、一般的に見てもエミリーは所謂「勝ち組」のキャリアウーマンで、エミリーの生き方には挫折というものはほとんど感じられない。もちろん常にドラマに悲劇を求めているわけではなく、彼女のポジティブさがとてもハッピーで、観ていて癒しにもなりうるのだが、どれも非現実的で彼女の言動から学ぶものはない。このドラマは、ただ頭を空っぽにして美しきファンタジーとして観るべきドラマだと思う。

出てくるシーンは、パリの風景を含めて画的に美しいものばかり。エミリーを演じるリリー・コリンズ自身も大変可愛く(31歳だなんて信じられない!)、彼女が着こなすカラフルはファッションはどれも素敵で、まるで動くファッション誌。普通の人が着たらめちゃくちゃになりそうなコーディネートを見事に着こなしている。でも、作品中では彼女の周りに同じようにカラフルな服を身にまとっている女性は出てこない。特に、フランスでの上司・シルヴィー(フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー)はいつもモノトーンコーデで、シックで女らしさを強調したシルエットが印象的だ。そこも個性を重視するアメリカと性的魅力を重視するフランスの違いを出したいのだろうか。詳しい意図はよくわからないが、実際にエミリーのようなファッションはフランスでは浮いちゃうんだろうなと思いながらも、とても目で楽しませてもらった。

また、エミリーを取り巻く男性陣との恋愛もドラマとしては見どころなんだけど、まぁこれも「フランスといえばこうだよね」とステレオタイプ的な描き方なので、実際に本当にそうなのかは現地の方々のレビューに任せたいのだが、まぁとにかく華やかだ。目が合えばキス!からのベッドにIN!!いいねー!すがすがしいねー!!(笑)最初はシカゴに彼氏がいることもあり、奔放な恋愛に消極的だったエミリーも次第に周囲に感化され、男性との駆け引きやセックスをまるでパン屋でパンを買うように楽しんでいく。

 
 
 
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I think being a hot French chef should count double tbh

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その恋愛関係の中で最も重要な役割なのが、上記のフレンチシェフのガブリエル(ルーカス・ブラヴォ)。エミリーと同じアパートの真下に住んでいて、英語も堪能なため、ところどころでエミリーを助けてくれる。当初からエミリーを好意的に見ていたが、彼には長年付き合っている彼女がいた。二人の関係はどうなるのか・・・というのも、このドラマの大事な要素だ。ガブリエルを演じるルーカス・ブラヴォがかっこいい。他の男性陣には正直あんまりピンとこないのだが、この方のルックスは日本人が好きな外国人のタイプだと思う(笑)。昨今の私はもっぱらクリミナルマインドのマシュー・グレイ・ギュブラーが大好きなのだが、この人も大変魅力的で今後も注目していきたい。(もちろん、マシューが一番好きだけどね!笑)

とにかく、このドラマはキャッチーで華やかなストーリーがテンポよく進み、人間的に本当に嫌なキャラがほとんど出てこないので、心理的にも大変見やすい。外国の方から「日本人=勤勉・サムライ」と思われているように、アメリカ人が思うフランスを極端に描いているので、真剣にとらえず、気楽に楽しむドラマだ。まぁ、こんな新生活もいいよね的に。

あー!早く心置きなく海外行けるようになりますように!!