なりきれない女の雑記

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現実と虚構に溺れる毎日。

『大恋愛』でムロツヨシにときめきが止まらない件

秋ドラマが中盤を迎え始めている。 今好きなドラマは何?って聞かれたら、私は『大恋愛』と答えると思う。と言うのも主役の二人が大好きすぎるから贔屓目ってのもあるけど、意外な二人なのに超しっくりくるのだ。戸田恵梨香はもちろん、ムロツヨシも可愛すぎて。どんな彼女でも愛しているとはっきり言葉にし、パニックになる彼女の元へ駆けつける真司を演じるムロツヨシの姿は、テレ朝で変な魔法をかける金髪おかっぱだったことを忘れさせるほどにイケメンだった。あれ、おかしいな。こんなにムロに心臓がギュンギュンするなんて。笑

 

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産婦人科医としてキャリアを積み、優秀でイケメンな将来有望すぎる精神科医との婚約も決まって順風満帆な人生を歩んできた北澤尚(戸田恵梨香)。そんな彼女が結婚生活を送るための引越しで、業者としてきていた間宮真司(ムロツヨシ)と出会う。真司は、尚が昔から大好きで大切にしている小説の著者だったのだ。婚約者がいる身ながら、真司に運命も感じた尚は積極的にアプローチする。処女作以降ヒットに恵まれず、長らく小説から離れ、ただ生きるために働いて無気力な日々を送っていた真司も、尚の猪突猛進さに驚きつつもすぐに恋に落ちる。婚約者・井原侑市(松岡昌宏)に別れを告げて真司との恋に突き進もうとするも、尚が若年性アルツハイマーの前段階であることが発覚してしまう。

ストーリーは10年という長い年月をたった10話で見せるために、結構急ピッチで展開する。真司と出会い、恋に落ち、最近の第4話で別れるとこまで来てしまう展開はまるで光の速さ。自分の理性とは別に本能で好きになっちゃうってこういうことじゃない?という潔さが私は心地いい。人を好きになるのに時間とか説明とかいらないのだ。脚本を書く大石静さんらしいストーリーだと思う。確かに、そんな細かいことなんてどうでもよくなるほど、尚と真司の二人がとにかくいいのだ。

 

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何と言っても主役を演じる戸田恵梨香が、さすが過ぎて。もともと私も大好きな女優さんで、この世代の女優さんの中で勝気でハイキャリアな女性を演じさせたら右に出るものはいないんじゃないかなとは思ってたけど、このドラマで女優としての幅の広さを感じた。真司に見せる安心感に満ちた屈託のない笑顔と、内側から溢れ出る「大好き」という気持ちが、まるで初めて恋をしている少女のようにいじらしくため息が出るほど可愛い。その一方で、今まで順風満帆に進んできたと思ったのに、自分が自分でなくなっていくという、急に足元からガラガラと崩れ始めていくような恐怖や、先のことが見えなくなる不安感を見事に演じている。これから病気が進行し、笑顔が少なくなっていく様は辛いけど、戸田恵梨香の演技力なら安心して観ることができると確信している。

 

そんな難しい役どころの戸田恵梨香を支えつつ、見事に光を放っているムロツヨシ。今までNHKのコント番組「LIFE!」や福田雄一作品でばかり観ていたので、どうしても三枚目のイメージが抜けず、「男」というより「ムロさんという生き物可愛い」という愛でるような目で観てしまったけど、ほんとすみませんでした。素晴らしい俳優さんでした。親に捨てられ、小説家としてデビュー以降脚光を浴びることなく、過ぎていく日々をただただ虚しく不毛に感じながら生きてきた姿が、ムロツヨシという一人の俳優が今に至るまでと重なり、真司というキャラクターの深みがグッと増している。この役はムロツヨシじゃなかったら、ここまでこのドラマは話題にならなかったかもしれない。

真司の無機質で単調な生活が、尚が現れたことによってどんどん色づいてきて、寒々しく見えたアパートの部屋がなんだか温かみを帯びた空間になっていくのが、真司の表情と声色の変化でよくわかる。口ではくだらないことを言っても、その裏で尚を一生懸命笑わせようとするセリフの一つ一つに愛が溢れてて涙が出る。回を重ねるごとに男気を増し、愛情に満ちたこんなに優しい空気をムロさんから放たれるなんて。毎週金曜にこんなにムロツヨシに揺さぶられるだなんて、誰が想像しただろうか。笑

 

その二人の裏で、元婚約者の精神科医・侑市は、口うるさい母親に急かされ新たに婚活をしつつも、尚を愛する気持ちを確信していく。侑市は医者としてのキャリアも家柄も男としてもパーフェクトなのに、自分の本当に大切なものを手に入れられないとても切ない役どころだ。真司との対比の役割的にも不可欠な存在。TOKIOの松岡くんも、これまた普段の農業や無人島でのワイルドさややんちゃな兄貴的なイメージを封印し、理性的で計画通りに生きてきたクレバーな男性を見事に演じられている。世間から見たら圧倒的に侑市の方が結婚には最適な男性なのに、どうして尚は真司に一瞬で惹かれたのか。それは、自分を支えてくれた小説の作者だからというだけでなく、そのセリフや文を書く心にすでに惚れていたからなのだろう。出会う前から尚の本能に「好き」だとプログラムされてて、実際会ってしまったらもう抗えない運命としか説明できないのだ。奪われた側の侑市にはどうか婚活で自分を支えてくれる伴侶と出会い、幸せなエンドを迎えて欲しいと願わずにはいられない。

 

真司の書く『脳みそとアップルパイ』の結末は幸せなものなのか、悲しいものなのか。どちらに転んでも、『大恋愛』は私の好きなドラマ作品には変わらないと今から確信している。(ちなみに『絞って、そして私を乾かして』も読みたい。笑)真司が初めて食べたアップルパイの感想が「うまかったけど、食いにくかった」だった。真司にとって尚との日々が「大きくて食いにくかったけど、本当にうまかった」ものになりますように。金曜を楽しみにして、また一週間仕事を頑張ろうと思う。コメディでもラブストーリーでも、ムロツヨシ大好きだよーーー!笑