なりきれない女の雑記

なりきれない女の雑記

現実と虚構に溺れる毎日。

秋の暇つぶし〜今更のクリミナル・マインドとその他〜

秋になったが、世界的にもコロナが収束する気配はまだ見えない。6月は一時的に出社したが、7月からずっと在宅勤務だ。初めは、あんなに「在宅って最高〜!」って思ってたのに、今は完全に飽きている。他人に気を使うことで余計疲れてしまう私にとって、在宅勤務自体は気楽でいいのだが、やはり景色が毎日変わらないというのはだんだんと滅入ってくる。人ってのは楽すぎるとダメになる生き物だ。

先日、海外に住む親友Mから「おすすめの漫画やアニメがあったら教えて」と言われていたのだが、ずっと内容を考えていたら時間がたってしまった。彼女の好みを聞くと、少年漫画原作のものばかりだったので、彼女の好みに合いそうなものを考えていたら記事を書けなくなってしまったのだ。ちょっと書いてみたけど全然筆が進まないので、削除した。そもそも、私は少年漫画をほとんど読まないし、アニメもほとんど見ない(笑)。私が勝手に彼女に合わせようとしているだけで、彼女の好みに合わせようって方が無理なのだ。彼女が聞いているのは「私の好みとおすすめ」なはずなのだ。

なので、開き直って彼女の要望を完全無視し、私が暇なときに観てしまうものを書き連ねていく。ごめんねM。笑

 

1. クリミナル・マインド

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My favorite members of Criminal Minds. (~S7?)

今更かよ!という突っ込みは甘んじて受けるとして、私は、警察小説好きの父の影響なのか、クライムサスペンスが大好物。行動心理分析とか犯罪心理学、精神医学とかもうワクワクしてしまう。初回は2005年と、かなり昔からやっているドラマなので、なぜ今?ということだが、今まで見る手立てがなかったのだ。WOWOWなどで日本で放映されていた時は、観る時間的・経済的余裕も無かった。今やっと、アマプラやNetflix、huluに加入する余裕ができて、楽しむことができているのだ。もう日本のドラマそっちのけでずっと観ている。現在アマプラやNetflixではシーズン8~12、huluではシーズン1~13まで観ることができる。(今WOWOWでは最新シリーズ(14,15)が観れるらしい。)あらすじやメインキャラクターについては、Wikipediaとか色んな記事があるからそっちを見てほしい。とにかく、主役のFBIの行動分析課(Behavioral Analysis Unit、BAU)のメンバーが魅力的すぎる。ギデオンホッチロッシリードモーガンガルシアJJエミリー・・・選びきれないくらい人間的魅力にあふれた面々ばかりだ。シーズンがあまりにも多いので、途中降板などでメンバーの変更はあるものの、皆それぞれが素晴らしい。でもこの作品はとっくに終了しているので、ほんとハマるのが遅すぎた。もっと早くファンになりたかったと後悔しかない。

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特に、面食いの私が好きなのは、リード(Dr. Spencer Reid)。IQ187、数学・化学・工学の博士号を持つ天才であり、豊富な知識と映像記憶能力を駆使して文章や暗号解読や地理的プロファイルで活躍する。昔は空気が読めず、関係ない蘊蓄を繰り広げるので周りを辟易とさせていた。しかもリードは犯人に狙われやすいのか、たびたび苦難に遭遇してしまう。そのたびに大きな傷を心身ともに負ってしまうが、BAUの兄的・姉的メンバーに支えられ人間として成長していく。その過程がとっても愛おしいのだ。久しぶりに恋に近いときめきを感じるほどハマってしまい、リードを演じる俳優・Matthew Grey Gubler(マシュー・グレイ・ギュブラー)のSNSをフォローしてしまった。現在40歳の彼の素の姿は、人を笑わせることが大好きな明るく陽気なキャラクターでとても魅力的。映像監督や作家としても活動し、親日家とのことなので、また何かで来日するときは絶対会いに行きたい。まるで、遅すぎた春が来てしまったような気持ちを持て余す今日この頃だ(キモいな私。笑)。

扱っている犯罪は主にシリアルキラー(連続殺人鬼)で、リアリティあふれる映像もあり、苦手な方も多くいると思うが、正義感と優しさに満ちたBAUメンバーのキャラクターと、最後は光が闇に打ち勝つ姿を見せてくれるストーリーのおかげで、嫌な後味なく見ることができる。中には救いようのない凄惨な事件も多くあり、捜査を通じて人間の醜さ・悲しさが浮き彫りになっていくが、その醜さや悲しみが生まれたきっかけが必ず暴かれるので、意外にもモヤモヤすることはない。事件の原因が加害者の生育環境だけではなく、宗教・人種差別や地理的要因など、アメリカだからこその文化的要因が大きかった事件も多く、ゼミでアメリカ文化専攻だった私には非常に興味深い。もう一度その分野を勉強したくなり、その関連の本も買ってしまった単純な私だ。笑

大変面白いドラマなのだが、デメリットがいくつかある。

・時間を忘れて永遠に見てしまう。

・Dr.スペンサーリードが可愛すぎて、母性本能と忘れかけてた乙女心が爆発する。(彼が辛い目に遭う回は毎回胸が苦しくなりすぎて、のたうち回る)

・暗がりや路地裏が怖くなる。ご近所さんが信用できなくなる。

・日本の刑事ドラマに物足りなくなる。(いや、日本のも面白いけどね、もちろん)

 

2. ワンデイ 家族のうた

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アメリカに住むキューバ系家族を題材にした70~80年代のコメディのリメイクで、原題は「One day at a time」、Netflixで観られる。離婚したばかりのシングルマザーが、カトリックの敬虔な信者で考えの古い母とともに、ティーンエイジャーの子供二人の子育てに奮闘する姿を描くシットコムコメディだ。移民、宗教、ジェンダー、LGBTQ、親子関係・・・と、テーマは大変シリアスだが、非常に明るくコミカルに仕上がっている。

主人公のペネロピは、看護師として働き、高校生の娘・エレナと中学生の息子・アレックスを育てる明るくはつらつとしたシングルマザー。しかし、その明るさとは反面、以前アメリカ軍人としてアフガニスタンに赴任した経験があり、その時の経験がトラウマとなり鬱病を患い、自分の弱さと葛藤しながらも治療している。そんなペネロピを支える(振り回す?)のは、母のリディア。彼女はキューバからアメリカに移住して60年にもなるが、生粋のキューバ人であり敬虔なカトリック教徒。「女はいつでも美しく気高く」というのを地で行く、自分大好きで家族大好きなパワフルなおばあちゃんだ。娘のエレナは社会活動に関心高く、勉強好きで成績も優秀な優等生。しかし、密かに自分の性的嗜好に悩み、家族にレズビアンだということを告白する。告白後は、非常にオープンに自分の性と向き合っているが、父親の無理解と拒絶に苦悩する。息子のアレックスは思春期まっさかりでTHE末っ子。自分がイケメンということを自覚しており、おしゃれにうるさい。年頃の男の子と同様に可愛いトラブルを起こすが、家族思いのとっても良い子。そんなペネロピ一家に深く関わるのは、アパートの大家のシュナイダー。30代のカナダ移民の白人で実家は資産家。アパートを丸々相続していて、不労収入だけで生きていける余裕があるが、愛情の無い父親と5人の義母という複雑な家庭環境だったせいか、ペネロピ一家に「家族の温かみと癒し」を感じ、しょっちゅう遊びに来ている。その他、ペネロピが働く病院の院長でリディアに片思いしているおじいちゃん先生のレズリー、兵役経験でのPTSDからアルコール依存になってしまったペネロピの元夫・ビクターなど、非常に濃いキャラクターが盛りだくさんだ。

この作品は、あるラテン系の家庭の会話劇なのだが、女が多いということもあり結構フェミニズム寄りな作品ではある。男性優位なキューバで育った母・リディアは「女が生きていくには男が必要」という考えのもと、ペネロピとエレナに「女は化粧しろ」「男に愛されろ」と言う。そんなリディアの考えを尊重しつつ、ペネロピとエレナは「女性はこうあるべきという考えは古い」とはねのけ、アメリカで起こる理不尽に面白おかしく立ち向かう。

今ではラテン系移民も多いアメリカだが、いまだに差別は起こっている。作中では日常の差別についてよく言及される。人種・性別・性自認・宗教など、差別は無意識的に起こっていることがよくわかる。しかし、差別に屈せず明るくポジティブに生きるペネロピたちの姿を見ていると、自然とこちらも笑顔になっているのに気づく。少し元気が欲しい時に観たい、サプリみたいなコメディだ。

 

3. 動物のお医者さん

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北海道札幌市を舞台に、国立大学の獣医学部学生の日常を描いたコメディ漫画で、私が佐々木倫子先生の作品にはまるきっかけとなった作品。沈着冷静でマイペースな通称ハムテル(西根公輝)とその彼が飼うシベリアンハスキーの女の子「チョビ」を囲む、優柔不断でネズミ嫌いの親友や不思議ちゃんの先輩や理不尽な教授など、ちょっと変わった人たちとの悲喜こもごもを、淡々とシュールに描かれている。この漫画がきっかけで日本中でシベリアンハスキーのブームが起こり、北海道大学獣医学部の志望者数が跳ね上がるなど社会現象も巻き起こしたらしい。

なんといっても、とても利口でおっとりしたハスキー犬のチョビが可愛い。まだ日本でハスキーがよく知られていなかったため、「般若みたいな顔」と言われてしまうが、とても上品で穏やかな性格のチョビはみんなから愛されている。いつもハムテルの仲間たちに振り回されるのだが(飼い主のハムテルは落ち着いているキャラなので自ら振り回すことはほとんどないが、彼とともに一緒に巻き込まれる)、いつでもハムテルに忠実で、彼のことが大好き。そんな、けなげで無邪気な姿がとても可愛らしく、次々降りかかる理不尽の中で巻き起こるコメディの中でやんわりと和ませてくれる。頭を空っぽにして、のんびりするときにおすすめだ。

www.hakusensha.co.jp

 

4. 七つ屋 志のぶの宝石匣(ななつや しのぶのほうせきばこ)

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のだめカンタービレ』で有名な二ノ宮知子先生の最新漫画作品。「宝石×質屋」をテーマに二ノ宮先生のコメディセンスが光るヒューマンドラマとなっている。作者はいつか「音大」か「質屋」をテーマにした作品を描きたいと思っていたらしく、今作はのだめが成功した後の念願の作品のようだ。宝石好きなら読んで損はない!今後実写化もあるんじゃないかと思っている作品だ。(本当にこれらのジュエリーを集めるなら、ものすごくお金かかりそう。でも観たい。笑)

<あらすじ>

歴史に名を残す名家の跡取りとして生まれた北上顕定は、家の没落・一家離散により、幼少期に東京・銀座9丁目商店街で江戸時代から続く老舗の質屋の「倉田屋」に質入れされる。当然ながら、本来は人間の質入れなど受け付けていないが、当時の店主は「通常3か月の質草預かり期限を3年とし、それが守られなかった場合は孫娘・志のぶと婚約させる」という契約をする。顕定はそのまま倉田家で育ち、質屋の仕事を学びながら鑑定眼を養い、また高級ジュエリー店の外商として、各界のセレブたちとの繋がりを得ていく。契約上婚約者の志のぶは、若干高校2年生ながらも、宝石から「気」を感じ、真贋を見抜くその天賦の才能を活かして、店でも宝石限定で鑑定を任されている。北上家から離散した宝物類の行方を探すため、二人は数々のジュエリーときらびやかな人間模様に向き合っていく!

(一部wikipediaから抜粋)

実をいうと、まだ途中までしか読んでいないのだが、非常に面白い。二ノ宮先生が描く「人とはちょっと違う異才」が毎度魅力的で、今回は志のぶというキャラだが、石そのものに宿る”気”を感じ取り、その石にまつわる人々の機微を探っていく。志のぶと顕定を囲むキャラクターも非常に個性的で、一見ミステリーチックにも描けそうな内容でも、質屋に訪れた経緯や人々の悲喜こもごもを混ぜつつ、温かく笑いに満ちた作品になっている。宝石の知識がなくても、一つ一つの石の違いや魅力に興味を持ち始める人もいるだろう。現在12巻まで刊行されているので、これからちまちまと集めていこうと思っている作品。

kisscomic.com

 

「よく食べ、よく寝て、よく読み、よく観る。」思い思いに短い秋を楽しもう♪♪