なりきれない女の雑記

なりきれない女の雑記

現実と虚構に溺れる毎日。

2018秋ドラマ感想まとめ

下書きにしたまま年末年始に忙殺されて放置してしまった記事をとりあえず書き終えようと思う。もう2019冬ドラマが始まる寸前で今更なんだが、2018秋ドラマ感想まとめ。いろいろ面白かったなぁ。

※毒も吐きますが、あくまでも私個人の感想なので、あしからず。

 

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◆SUITS

一言で言うと期待外れ。キャストは良かったのに、うまく使えてなかった気がする。これは脚本のせい?演出のせい?甲斐(織田裕二)と大輔(中島裕翔)のツンデレな叔父と生意気な甥っ子のような関係性が観てて微笑ましいところはあったけれど、大輔を窮地に追い込んだ悪友・遊星(磯村勇斗)との切れない関係は最後まで理解できなかった・・・。そして大輔をめぐる真琴(新木優子)と砂里(今田美桜)の三角関係は何のスパイスにもならなかった気がするのは私だけだろうか笑。

全体的に、アメリカンでスタイリッシュなオープニングからスマートでキレのある展開を期待してしまうのに、テンポも悪いし、シーンごとの間延び感が否めない。合わないジャズセッションのようで気持ち悪くなる。そして、結局最後は大輔の驚異的な記憶力を活かしきる場面はなく、力技で無理やり解決してる感じがしてスッキリしない。法律ドラマって緻密さと一種のアハ効果が求められると思うのに、ツメが甘いのか途中で展開が読めてしまい白けてしまった。

しかし、フジテレビの月9らしく、ファッションや撮影ロケ地は華やかでそれは観てて楽しかったかな。もしも「HERO」や「グッドパートナー~無敵の弁護士~」など担当された福田靖さんが脚本だったらどうだったかな・・・なんて思ったり、思わなかったり・・・。(まんぷくで忙しいですよね笑)

ほんと残念!

 

◆僕らは奇跡でできている

不器用で今までつまづいてばかりだった人にも、今まで何の障害にもぶつからずにすんなり生きてきた人にも観てほしいドラマだった。完全に前者な私にはもう刺さりまくりで、一輝(高橋一生)の言葉には毎回泣かされてしまった。最初は一輝の言動を理解できず、むしろバカにしていた学生や歯科医・育美(榮倉奈々)、樫野木(要潤)が、だんだんと一輝に影響されて変わっていく姿が清々しかったし、観ていて嬉しくなった。

一輝と小学生の虹一(川口和空)との交流のシーンは、おなかのあたりがじんわりと温かくなるような感情を覚えた。彼らのような好奇心を持って物事を捉えたら、もう少し毎日が楽しくなるかもしれないと思わせてくれた。しかしそれだけではなく、そんな彼らも周囲に溶け込めず、辛い思いをしてきた過去をしっかり描いていたからこそ、このキャラクターに感情移入できたと思う。一輝を演じる高橋一生の演技力には流石だった。第7話の自分の過去を告白したシーンで、自分のパンドラの箱を開くような辛い気持ちを一生懸命打ち明ける表情一つ一つが、一輝の今までを表していて自分とどれだけ闘ってきたのかを思うと胸が詰まった。演じるのが高橋一生じゃなかったら、ここまで一輝のキャラクターに感情移入しなかったかもしれない。

一方で、彼らのような“少し周りと違う”人たちに振り回される育美や虹一の母・涼子(松本若菜)などのキャラクターも、しっかり描かれていてよかった。(少し「うわ、キッツい」と思う場面もあったけど)育美も涼子も、自分に自信が無いから人にどう見られるかが重要で、常に自分にベクトルを向けて追い込んでしまっていた。私もどちらかと言えば育美や涼子のようにバカ真面目な人間で「○○すべき」という考えにとらわれやすい性格だ。だから、育美や涼子の自らを追い込み、いじめてしまう性格は痛いほどわかる。彼女らは、できる子・できない子、常識・非常識…などという分類分けに縛られていたが、私たちも無意識に心の中でその分類に縛られている。ドラマだから幼少期の一輝や虹一が可哀想に見えてしまったが、けして他人事じゃないし、彼女らを責めることは絶対にできない。そんな二人が一輝との交流で自分を縛っていたものを少しずつ緩め、自分で自分を肯定できるようになっていく姿に涙がこぼれた。

最終話では、一輝は宇宙に行くという壮大な夢を告白する。でもなんか一輝なら実現するんだろうと思ってしまう。

今ここにいることが奇跡。

そう思わせてくれる愛おしい作品だった。

 

中学聖日記

最初「えー中学の先生が男子生徒と恋愛!?高校生じゃなくて?」と妙に食わず嫌いをして、全く観るつもりが無かった。しかし、夫が有村架純が好きなため録画しており、夫の横で一緒に観たのだが「何これ突っ込みどころ多くて面白いやん」と結局最終話まで観た。

まず、聖ちゃん(有村架純)モテすぎ。イケメン生徒、有能な商社マン、優しい小学校教師・・・。どこに行っても惚れられる。たしかに、あのビジュアルで夏の蒸し暑い夕暮れに佇んでたら、見とれちゃうよね。儚い。そしてエロい。たぶん衣装もそれを狙ってるのか、うなじや首元に隙がありまくるファッションなのですよ。鎖骨最高!!!性格も真面目で困ってる人を放っておけないタイプ、でも少し抜けている。ゆえに年上女性からも可愛がられる一番恵まれた愛され系女子。惚れちゃうよね。

とはいえ、いくら聖が人間的にも性的にも魅力的とはいえ、晶くん(岡田健史)が突っ走りすぎてヒヤヒヤしてしまった。恋を知った思春期の男の子ってあんなに猪突猛進なのかな。(女子校だったからあんまりこの世代の男ゴコロよくわからない。)自制のきかない晶の言動一つ一つが「やっぱり子どもだな」って思わせるあたりが、結構よく作られたドラマだったと思う。

 

そして、この二人を囲むキャラクターもなかなか強烈で。特に晶の母・愛子(夏川結衣)と原口律(吉田羊)。晶の母・愛子の息子を守りたいがゆえに結構強硬手段に出るんだけど、その裏には聖のこともすごく考えられてて「ああぁお母さんも辛いですよね!!」って同情ばかりしてしまった。そして、原口姉さん・・・。この人も自由に見えて実に人間らしくて。聖の元婚約者・勝太郎にロックオンして付き合うまで行ったけども、結局は勝太郎の未来を想ってて、普通に乙女だし。傍若無人のように見えて実は聖人君子じゃん!ずっと聖と晶を応援してるし。っていうギャップでこのドラマの中で一番好きだった。結果この二人のおかげで、聖と晶が燃え上がり、結ばれることとなった。足向けて寝られない二人だよね。

ラストはハッピーエンドだったので良かったけど、結構ぶっ飛んだドラマだったなと思う。ま、ドラマだからね。ドラマチックでなんぼです。

こういう系の純愛にキュンキュンするほどもう私は子供じゃないんだなと悟った。

 

◆獣になれない私たち

これは記事を書いてるのでそちらをどうぞ。

mana4panda.hatenablog.com

 

◆リーガルV~元・弁護士 小鳥遊翔子~

内容は勧善懲悪で明るく楽しく老若男女みんなが楽しめた平和なドラマ。

終始、ドクターXの大門と同じく、翔子のファッション・米倉涼子のスタイルの良さばかり見入ってしまった。でも内容はハマらなかったなぁ。法律ドラマとしては物足りなかったし、どうしても「ドクターX」と重ねてしまったから、翔子(米倉涼子)が弁護士としてスパーンっと法廷で相手を叩きのめす展開を期待してしまい、裏方として暗躍するっていう展開に乗り切れなかったかな・・・。ところどころ、敵対する弁護士・海崎(向井理)のツンデレっぷりに萌えたり、翔子にこき使われる青島・通称ポチ(林遣都)が可愛かったりで、それなりに見どころはあったはずなんだけど。 そもそも、翔子は鉄道マニアである必要はあったのだろうか・・・。

 

◆黄昏流星群

相当面白かったらしいのに観てないーーーー!!!!あんなにネットで話題になるカオスっぷりなら観たらよかった!!!!原作漫画読んでたし、不倫ドラマは苦手なので避けてしまった。

 

◆大恋愛 僕を忘れる君と

色々急展開過ぎて、突っ込みどころはあったけども、総じて面白かった!

まず、ムロツヨシの俳優としての魅力を再確認した。戸田恵梨香の相手役がムロツヨシとわかったとき、深夜ドラマで茶色いおかっぱ頭で変な呪文ばかり言っていた彼に、誰があんなにキュンとさせられると思っただろう。(失礼。笑)

出会いから結婚までもかなりのスピード展開だったが、結婚してからも光のように早かったね。後半では尚(戸田恵梨香)と同じMCIを患う公平(小池徹平)が出てきて、真司(ムロツヨシ)の心を乱しまくったけど、尚の「忘れちゃえるところがこの病気の唯一の救い」という言葉であっけなく退場。でも、この公平の役で小池徹平の演技の幅広さを知ることができた。怖かったもんね、ほんと。蕎麦ハチミツ飲ませてやろうかと何度思ったか笑。

この二人はともかく、やはり、主演の戸田恵梨香の演技力に惹き込まれたのは言うまでもない。真司との間に息子・恵一が生まれ、母になった喜びを感じる一方で、症状はどんどん進んでいく。だんだんと生気を失っていく目、記憶があやふやになっていくことで生じてくる行き違い・それへの苛立ち、など観ているこちらが苦しくなってくるほどだった。症状が進み、すべての記憶を失った後を、真司の担当編集者・水野(木南晴夏)に託したいと真司に告げたシーンは泣けて仕方なかった。

<最終話について>

数年経ち、一人で歩けるようになった恵一。尚は恵一にせがまれて公園に遊びに行くが、恵一の存在を忘れて一人で家に帰ってきてしまい、恵一は一晩行方不明になってしまう。最初は何が起こっているか理解できていなかった尚だが、その原因が自分だと悟った尚は、責任と自分の限界を感じ、置手紙を残して家を出てしまう。

真司は尚を追い込んだ自分を責め、尚の好きなようにさせてやるのが良いのではと考えて8か月もの時間を費やしてしまった。情報提供番組で呼びかけた結果やっと見つかった尚は、すでに認知症状が進み、真司の事を含め、ほとんどの記憶が失われていた。ぼんやりとしたうつろな目で、口元はうっすらを笑みをたたえ、真司と再会した尚の顔はまるで人形のようで、なんでもっと早く見つけてあげられなかったんだろう!とテレビ越しに少し悔しい気持ちになった。

砂にまみれたアンジェリカの表紙のような砂浜で、真司は尚に「脳みそとアップルパイ」「もう一度 第一章から」を読み聞かせる。最後、尚が反応し、「真司」と名を呼び、当時のセリフを言うなど一瞬だけ記憶をよみがえらせる。真司は思わず尚を強く抱きしめ、真司の腕に包まれる尚の顔は菩薩のように穏やかで美しかった。しかし、以降尚が真司を思い出すことは無く、さらに数年経ち、肺炎で亡くなってしまったことが真司の語りで明かされ、恵一とともに尚の思い出とともに生きていく形でラストを迎えた。

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正直この展開はショッキングだった。二人が症状と闘いながらも、周りに助けられながら子育てに奮闘していき、その中の悲喜こもごもと愛に満ちた二人の姿が描かれるかと思っていたからだ。

自分のことを誰も知らない場所で生涯を終えようとしながらも、「大好き」「会いたい」とビデオレターに真司への思いを残していた尚の健気さに涙腺崩壊。自分が自分でなくなっていく不安をどうして尚は一人で抱えてしまったんだろう。もし自分の大切な人がそんな風に幕を閉じようとしていたら、私はどんなことができるんだろう。夫だったらどうしよう。そんなことを考えながら、真司の気持ちを重ねて、とうとう声を上げて泣いてしまったよ。尚ぉぉぉぉ。プラス、母親に対して「はじめまして」と演技をする恵一や、再会できた娘を抱きしめられない母・薫(草刈民代)の気持ちを考えたら、もう苦しくて苦しくて。なんであんな展開にしたのか、本当に制作側にご説明いただきたいと思ってしまった笑。つらすぎるやろーー。

 

全体を通して二人の純愛が美しく描かれていて、とても良かったんだけど・・・欲を言えば、もう少し尚と真司と恵一が家族として生活している時間が欲しかった。とはいえ、二人の演技はもちろん、脇を固める登場人物の幸せも描かれ、二人が出会った奇跡は二人だけのモノじゃなかったという伏線(尚の元婚約者・侑市(松岡昌宏)と薫の結婚、公平のその後など)も楽しめたので、総じて面白かった。

 

↓↓↓ムロツヨシさんを絶賛している過去記事はこちら↓↓↓

mana4panda.hatenablog.com

↓↓↓小池徹平さんの演技力におののいたことを書いた記事はこちら。↓↓↓

mana4panda.hatenablog.com

 

◆僕とシッポと神楽坂

とにかく出てくる動物が可愛いぃぃぃ!!!

特に犬のダイキチ(ビション・フリーゼ)にハマって、癒されまくった。また、心優しく腕のいい獣医という役は、嵐の相葉くんにとって史上最高のハマり役だったと思う。ストーリーもほのぼのする中に色々考えさせられる面もあり、とても良作だった。人間たちの演技はもちろん良かったのだけど、動物たちの演技力が目を見張るものだった。トレーニングされているとはいえ、凄いよー。もし今後ペットを飼うなら一度見てほしいと思うドラマ。

 

◆忘却のサチコ

高畑充希の美しい食べっぷりを堪能するドラマ。ボケやストーリー展開にはいまいちついていけない人もいるかもしれないが、とことん真面目でロボティックなサチコがだんだん愛おしくなってくるのはきっと高畑充希が嫌味なく演じていたからだと思う。

出てくる料理はどこもおいしそうなので、完全飯テロドラマ。録画して一人ごはん食べる時に観ると、いつもよりごはんが寂しくない。ちなみに、『孤独のグルメ』より、グルメ部分(食べるシーン)が少ない気がする。でもなんだかんだ、サチコさんの俊吾さんへの思いや自身の恋愛観と周りとのギャップに悩む姿に感情移入し、ストーリーも楽しめた。最終回で、俊吾さんを振るサチコさんには「よく言った」ともらい泣きしてしまうほどだった。強いて言えば俊吾さんは私の中のイメージでは早乙女太一ではなかった。それだけがちょっと残念。

 

昭和元禄落語心中

途中から同時間帯の「大恋愛」しか録画できておらず、追っかけもできず時間が過ぎてしまったため断念。凄く良かったようなので無念。岡田将生を見届けたかった・・・。

 

◆ドロ刑

観てないんだわー。

 

下町ロケット

前回も観てないし、今回も見てない。顔のどアップ多めの池井戸潤作品は少しお腹いっぱいです。笑

 

今日から俺は

どうしても福田雄一ワールドになってしまうよね。内輪ネタというか、福田さんの界隈で面白いものがみんな面白いわけではないんじゃないか・・・なんて思ってしまう。しつこいくらいの変顔とかさ。どんな俳優さんも福田カラーに染め上げてしまうから、少し辟易としてしまった。原作は面白かったのにな。俳優さんも素晴らしい方ばかりなのにな。でも、橋本環奈は反則的にかわいすぎたので、なんか許す!笑

 

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ざざっと、こんな感じですかね。後半だいぶ手抜き笑。

2019年冬ドラマも楽しみですね。年明けから私の仕事は忙しくなるので、リアタイできるかすでに心配だけど、時間見つけて感想書きたいと思う。

各々楽しみましょう~~~。

では!!!

 

 

 

年末年始の悲喜こもごも

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年末年始いかがお過ごしでしたか。美味しいもの食べまくって太りましたか。いろんなところに行きまくって疲れてませんか。笑

私は28日~3日までお休みをいただき、毎年恒例のスケジュールだったけど、近年まれに見るアクシデントが重なり、2019年は波乱の幕開けとなっております。そのせいもあって、今日から仕事でしたが頭と心が追い付きませんでした。

 

28日

夫はまだ仕事なので、できる限り一人で大掃除。キッチンの拭き掃除をしている間に力を入れ過ぎて腰を痛める。

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29日

夫とともに、10年以上仲良くしている夫の友人グループでの忘年会。6つの家族が集まり、楽しい時間だった。隣に座った人見知りの可愛いお姫様に構っているうちに、お子様に好かれる私は気が付けばみんなの子守役のような形に・・・。ちびっ子のパワーに圧倒され腰が痛い。笑

 

30日

夫、仕事。ちょっと一息しつつ、また掃除。そしてお年賀の品物や年明け用の食材など諸々買い出しに歩きまくる。そして帰ってきたら腰が痛い。

 

31日

毎年の恒例、私の両親とともに北海道流おせちを食べながら紅白歌合戦を観て、年越し。深夜2時くらいまでお出かけをする。お腹もいっぱいで腰が痛い。

 

1日

昼過ぎまで寝て、お雑煮を食らう。夕方過ぎ、まさかのキッチン水漏れが発覚。管理会社は5日まで年末年始休暇のため連絡取れず。ポタポタと滴るレベルなのでなんとかバスタオルで凌ぐ。屈んでばかりいたので腰が痛い。

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2日

水漏れのショックでどこにも出かける気になれず。クラシアンに来てもらって、水道の状況を確認してもらうと「経年劣化で蛇口本体を取り換える必要がある」と言われ、見積で8万近くになってしまい、工事が結構複雑になりそうなので、とりあえず管理会社に連絡が取れるまではバスタオルで凌ぐしかないと言われ、さらにショック。幸先悪いスタートだと嘆く私を夫がなだめ、寄せ鍋を食べて何とか心を落ち着かす。がしかし、寝付けず腰も痛い。

 

3日

朝、水漏れがひどくなっていてストレスMAX。そんな中、夫は仕事始めで出勤。ビニールを敷き、バスタオルを買えている自分が空しくなり、また落ち込む。夫が早めに帰ってきて「もう賃貸は嫌だ」と言い出す。よくよく聞いたら、なんか夫の祖父の空家問題が再燃し始めているらしい。もうお互いに正直今のマンションは嫌なので、真剣にリノベーションして住むか考えることに。考えすぎて腰が痛い。

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4日

私、仕事始め。家のことが気になって、正直気もそぞろ。それに加えて、年明け早々クライアントがあまりにもアホすぎて、年内の転職意欲も高まってしまった。もし空家に引っ越したら会社から遠くなるので、いっそ良いのではないかと内心思ってしまっている。

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こんな2019年の幕開けになってしまったぜ・・・。

終始腰が痛み、水漏れトラブルで落ち込んでいる私を勇気づけてくれる「しいたけ占い」を置いておく・・・。しいたけさんの言葉が沁みる・・・。

voguegirl.jp

 

昨日は熊本で震度6レベルの地震もあったし、皆様それぞれ悲喜こもごもあった年末年始だったかと思います。

今年は、適度に自分のこと最優先で生きていきましょう!!!!良い年になりますように!!!!(切実)

本年もよろしくお願い致します。

 

最近のこと(2018.12~)

師走もあっという間に半分が過ぎてしまった。

今年あと二週間もないって本気ですか?毎年毎年同じような事言っている気がするけど、本当に今年は早かった。体感3ヶ月。年明けから仕事忙しくて気が緩んだのは10月あたりから。もうそこから秒ですよ、秒。楽しかったこと・嬉しかったことは積極的に書き残しておこう。最近けもなれ記事しか書いていなかったので、たまには違う事を書こう。というわけで今回は日々の備忘録。

 

友人との再会@銀座「根室花まる」

12月初旬。中高時代の親友Qちゃん*1と回転寿司に行ってきた。私は中学・高校の6年間女子校に通っていたのだが、彼女とは忘れもしない中2のクラス替えで初めて同じクラスとなり、苗字順で席が近いこともあり、すぐに仲良くなった。そっからの付き合いなのでもう20年弱。友達の少ない私が唯一定期的に会う気心知れた親友である。

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そんな彼女と今回は東急プラザ銀座にある回転寿司「根室花まる」に行ってきた。土曜日だったので整理券もらってから1時間半がっつり待った。もちろん携帯番号を登録して、お店をぶらぶらしながらでもよかったのだけど、彼女と会うのが久しぶりだったのでその場で待ちながらひたすら喋っていた。近況報告などしていたらあっという間に自分たちの番になった。

カウンターに座るとテンションは最高潮に。隣のご夫婦もかなりの量を平らげており、にわかに私たちも気合が入る・・・。

ちなみに、私はかなりの大食いだ。普通の女子の2倍は軽く食べる。夫よりも食べる。友人たちで私の胃袋に追いつく人はなかなかいない。しかし、このQちゃんは別だ。元・バレー部という体育会系で、私と同じペースで食べてくれる非常に貴重な存在だ。ああ、彼女との再会を回転寿司にしてよかった!!お互い好きなものを好きなだけ好きなペースで食べられる!!!内心私はそんな喜びで脳内で小躍りしていた。

いざ!…って食べたものを書きたいんだけど、何食べたか忘れた笑笑。しかも私には食べ物を写真に収める習慣がない。最初は白身だったっけ?サーモンからだったっけ?炙り系だったっけ?笑笑 それだけ夢中で食べてたんだね、私。特に写真のボタンエビ。甘くて最高に美味しかったよ。あとは写真全く撮ってないけど、活き生ツブ貝、中トロ、サーモン、炙り鯖、いくら、アジとかの青魚系、ザンギ、厚焼き玉子・・・とにかく脳が美味しかったことは覚えてるよ。しかも結構食べたのに一人当たり3500円程度で最高だったよ…。至福の極み。Qちゃんも喜んでてほんと良かった。また行こうねぇ。

はぁ、今思い出しても本当美味しい記憶ばかり。また近々行きたい。池袋東武にあるトリトンも北海道発で美味しいけど、私はこっちの方が好きだなぁ。 

 

※詳しくはオフィシャルHPなり、食べログなりを見てもらった方が詳しい。

www.sushi-hanamaru.com

tabelog.com

 

結婚記念日@中目黒

先日、結婚記念日だった。結婚して3年だけど、付き合ってる期間入れたらもう夫とは12年も一緒にいる。19歳の時からだから私の20代は全部夫に捧げたことになる。これ、改めて考えるとすごいな笑笑。

去年は夫が素敵なレストランに連れてってくれたので、今年は私が予約した。場所は中目黒の「Les deux(レ ドゥー)」(以前の店名は「オー・コアン・ドゥ・フー」)ここは前に私が友人と行ったことがあり、とても温かみがあるお店でぜひ夫を連れて来たかったところだった。

予約は18時半。中目黒に着いたのは17時過ぎだったので、とりあえず腹ごなしもかねてプラプラすることにした。そういえば長い付き合いの中で、夫と中目黒に来たことはなかったような気がする。友達とはよく来ていたけど・・・。普段生活圏が池袋の私たち夫婦にとっては、渋谷〜中目黒はなかなか来ない。東京メトロですぐなんだけどね。

てゆか、中目黒めちゃくちゃ魅力的な街じゃないっすか。飲食店の宝庫だし、駅前に24時まで空いてるスーパーあるし、病院・マッサージ屋も揃ってるし、少し路地入れば下町っぽい商店街もあるし!私たち夫婦の職場があるエリアにも1本で行ける。(たまたま職場も最寄り駅同じ)目黒川の雰囲気も素敵だし、晴れた日は気持ちいいだろうな。中目黒に住んだら瑛太尾野真千子(by最高の離婚)みたいに猫を2匹飼おう。

・・・なんて二人でテンションが上がり、街の不動産屋さんの店頭広告を見てみる。

「無理・・・。」

一気に現実に戻ってしょっぱい気持ちになったところで、ちょうど予約の時間になったので店に入ると、ホール担当の奥様が笑顔で迎えてくれる。外がかなり寒かったと現実の厳しさで縮こまった体が、室内の温かさと奥様の笑顔でほぐれる。ここはシェフのご主人とホール担当のソムリエの奥様の二人で営まれている、とてもアットホームなフレンチビストロのお店。前に来た時も、とても良い雰囲気で気に入っている。

今回は6000円のプリフィクスディナーを。ある程度決まっている中からお互い好きなものを選べるので、気兼ねなくて良い。夫はお酒を結構飲むので、トータルを考えるとリーズナブルだと思う。(ちなみに私は下戸なのでガス入りウォーターで十分な安上がりな女)今回は写真を撮ったので残しておきます。

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お通し的なツブ貝のエスカルゴ風仕立て。美味しい。
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ズワイ蟹と帆立、オマール海老のコンソメジュレのカクテル仕立て  食べてて楽しい。

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夫の。フォワグラのポワレと茸の温製サラダ。

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オニオングラタンのパイ包みフォワグラのポワレ添え。ザクザク楽しい。

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和牛の赤ワイン煮込み。夫は猪肉のロースト。どちらも美味しい。

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モンブラン美味しかった・・・

こんなにお料理の写真を撮るなんて普段滅多にない。こういうちょっとした記念日ごはんくらい。凝りすぎてなく、家庭的で一つ一つ美味しかった。途中に出てくる自家製パンも美味しくて、ついついお代わりしてしまった。一皿の量も結構多いので、ゆっくり食べてたらお腹いっぱいになって、私にしてはデザートが入るかしらと心配になった。・・・が杞憂だった。ペロッと美味しくいただいた。

お料理食べながら思ってたんだけど、10年以上付き合ってる男女は食べながらどんなことを話してるんだろうか。私より5歳上の夫は元々口数が少ない。圧倒的に私が話すことが多い。それに夫はツッコミを入れたり入れなかったり、という感じだ。しかもお互い水瓶座の自由人なので、どちらもマイペースだ。それでも長く続いてるんだから、バランスが取れてるんだろうけど。今回店内のお客さんのほとんどが長年付き合ってそうな落ち着いたカップルばかりだったので、そんなことが気になってしまった。

ふと夫に「結婚して3年経ちましたがどうですか?」と聞いてみると、「今更何もないよ。気負わず、変わらず。それが一番いいんじゃないの?」とあっさりした回答が返ってきた。夫はいい意味で自己中心的な人だ。「焦らない、周りと比べない、今を平和に過ごす」というのがモットーのような人。ああそうか、こういう人だから親との関係や仕事と自己とのギャップで押しつぶされそうだった私が唯一ふにゃんと気持ちを緩められる人なんだ。そんなことを改めて思いながら、私たちは私たちのペースで、歳を重ねていきたいと思った。早めに解決したい問題は抱えているけれど、焦って壊れたくはない。長年寄り添い合ってきたお互いを信じたいと思った。

私たちは、けもなれの呉羽が言ってた「結婚って子ども作るためにするの?一緒にいたいから結婚したの。」という言葉や、恒星の「(先の事はわからないけど)俺たち次第」というのがしっくり来る、ゆるーい夫婦。4年目ものんびり楽しもうと思う。

 

※お店についてはこちら。公式&食べログ

lesdeux.jp

tabelog.com

 

最後に:また名付け親になった

唐突ですが、私、パンダが大好きなんですよ。この世で一番好きな動物はなんですか?って聞かれたら絶対に「パンダ!」って答えるし、プライベートな部分はパンダグッズで溢れている。(ちなみに有吉と同じく、キャラクター化してデフォルメされたパンダデザインより、限りなく写真に近い忠実なパンダデザインが好み)

今年の8月に和歌山アドベンチャーワールドでメスの赤ちゃんパンダが産まれ、名前募集が行われた。2年ほど前の「結浜」も私が応募した名前が選ばれたこともあり、今回も応募しようと思っていた。が、良い名前が全然思い浮かばない。上野のシャンシャン(香香)の時もだったが、可愛くて愛され、かつ中国に還っても響きのいい漢字を考えていたら、変なループに陥って全く思いつかなくなってしまったのだ。結浜のときはピコーン!と浮かんだのに。(ちなみにシャンシャンの時は応募したけどハズレた。)締切が近づいて焦り始めたその時。ミスチルの「彩り」を聴いていて閃いた。

彩浜(サイヒン)」っていいかも・・・。

実は結浜のときも、新垣結衣ちゃんをテレビで見ていてピコーン!と閃いたので、今回も絶対これに決まる!と確信していた。早速応募し、最終候補の4つに残ったことを知り、とりあえずオフィスのトイレで小躍りした。

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そして先日、17日(月)の発表で見事私が応募した「彩浜」に名前が決まった。

■応募・投票総数

応募総数:122,421通(2018年9月13日〜11月16日) 
投票総数:118,347票(2018年11月22日〜12月8日)
命名者数:2,682名
※2016年に誕生した「結浜(ゆいひん)」の名前応募総数:56,565通

(引用:和歌山アドベンチャーワールド公式)

やったー!!めちゃめちゃ嬉しい。最後の投票してくださった方もありがとう。結浜の時は行けなかったので、今度こそは何が何でも時間を作って会いに行きたい。上野より断然ゆったりと見られるらしいし。にしても、今回の応募総数が結浜の時の倍以上でびっくりした。応募総数から2%の中に選ばれたことにもびっくり。ライブ当選運といい、やはり2018年後半の私は引きが凄かったな・・・。

とにかく、パンダたちには皆に愛され幸せに過ごしてもらいたい。

 

※ちなみに結浜の名付け親になったときの過去記事はこちら。

ameblo.jp

 

そんなこんなで「和歌山のパンダに会いに行く」という来年の楽しみもできたのだった。 さーて、年末年始が来るぞー!。読んでくださったそこのあなたにも何か良いことがありますように!!

以上。

 

*1:170センチ近くのスレンダーボディからは想像できないハイトーンボイスを放つ2児の可愛いママ。食べ物屋さんでは定番モノではなく「限定」や「季節のおすすめ」を選ぶチャレンジを恐れない女。愛してる。笑

『獣になれない私たち』自分の人生を取り戻す晶と恒星たち

けもなれ最終回。野木亜希子さんらしい、とても軽やかで心にすーっと風が通るような終わり方だった。視聴率は振るわなかったようだけど、世間がどう言おうと、そんなことどうでもいい。生きづらさを抱えた人だけではなく、すべての人に対して何かしらの気づきや考えをもたらす意義深いドラマだったと私は思う。

※以下、完全ネタバレで死ぬほど長いのでご注意ください。

一夜が明けて

晶は恒星と寝たことを後悔していた。こっそり営業していた5tapに寄ると、タクラマカン斉藤がおすすめしてきたのは「大航海時代のビール」だった。そして恒星も、晶とは行き違いで5tapに立ち寄り、同じビールを飲む。お互いにあの夜の出来事を大後悔していた。

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同じ頃、京谷は母・千春の買い物に付き合った帰りだった。5年ぶりの東京を楽しんだ千春は、京谷にマンションを売ったらどうかと言う。そうでないと朱里が次の恋ができないと言う千春に、京谷は一瞬理解できない顔をする。その態度を見て、千春が京谷を一喝するシーンは、全国の女子が喝采を送ったことだろう笑。少なくとも私はスカッとした。残念な男だなぁ、京谷。未だに晶の事を諦められない様子だけども、どうなるのか。

晶は九十九との一件もあり、会社を休んだ。晶のいない社内では、夢子が「どうして社長と闘ってくれなかったのか」と上野や佐久間に詰め寄る。でも一方で同じくその場にいた夢子がなぜ黙っていたのか問われると、「自分が平和ならそれでいい、というのがまさに私だった。」と苦笑いするのだった。そうやって3人が話していると九十九が出社し、「早く謝れば許してやるのに」とまた怒鳴っている。結局、九十九は根本がわかってないのだ。

進まない晶と恒星の話し合い、そして板挟みのタクラマカン

その夜、晶と恒星は5tapの前で鉢合わせする。二人はいつものカウンターではなく、テーブル席で向かい合い、あの夜の事を話す。あれはお互い弱っていたから事故だった、と寝たことをなかったことにしようとする恒星に、晶は「恒星はそういう人だった」とあきれたように返す。その場の雰囲気でもたれかかるように甘えあう関係を「最低の関係」と称し、一番なりたくなかったと言う晶。その顔は明らかに拗ねている。後ろで聞かないように作業しているのか、タクラマカンがそわそわしている感じが非常にいたたまれなくて、滑稽だ。笑

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夢子と上野

そんなやり取りの中、晶に電話がかかってくる。恒星が止めるのも意に介さず、晶はかかってきた電話に出て、その電話の相手だった夢子と上野を5tapに呼び込んでしまう。そして恒星との話を中断して、晶は夢子と上野と話し始める。晶が九十九と対峙したときに「何も言えなくてごめん。」と謝る夢子と上野。社内では退職が相次いでいた。二人とも晶にやめてほしくないと伝えるが、会社を支える“守護神"として晶にやめてほしくないという上野に対して、夢子の言い方は夢子らしくてとても良かった。

夢子「深海さん辞めればいい。戻ったって社長が調子に乗るだけで何にも変わらない。深海さんが幸せな方がいい。・・・って言いたいけど本当の本音を言うと、深海さん戻ってきてほしい~~~!」

「なんだ、今感動したのに。」

夢子「戻ってほしいって気持ちと、辞めても仕方ないって気持ちが心の中でのこったのこったしてるの。」

夢子と上野が帰り、また話を再開する晶と恒星。あの夜の事を想定外だったとするも、合意だったと認めあう二人。でも合意してしまったこと自体を後悔しているという晶に、だったらしなきゃよかったじゃんと少しムッとする恒星。でも恒星自身も事後にかなり後悔していたことを晶に指摘され、お互いに拗ね合い、後悔し合い、もはや何の話し合いなのかよくわからない笑。

京谷とサブロー、そして朱里

すると、5tapに京谷がやってくる。マンションにいない朱里を探して、晶を頼って来たのだった。そして、どこから湧いて出たのかわからないがサブローもひょっこり現れる。晶と京谷が警察に捜索願を出しに行こうと店を一旦出た間に、サブローは満面の笑みで恒星にある写真を見せる。可愛い彼女だと話す写真には朱里のウサギ・たっちんが写っていた。またしてもサブローがファインプレーをかましたのだ。サブローが恒星にあっさり事情を白状したおかげで、朱里がネットカフェに居たことがわかる。恒星が朱里に晶と京谷に連絡するよう促すと、「生きてます。二人そろってバカじゃない?」とメールする朱里。人に優しくされるとトゲトゲしてしまう朱里に、「じゃあ優しくすればいいじゃないですか」と当たり前のようにまっすぐ話すサブロー。そんなまっすぐでテンションの高いサブローにペースを崩される朱里だが、まんざらでもなさそうな感じだ。

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一方で、5tapを出て朱里の捜索願を出しに行こうとしていた晶と京谷は、朱里のメールを見て安心する。歩きながら、朱里が京谷に感謝していたと話す晶。自分も京谷に感謝しているし、京谷には幸せになってほしいと言いかけると京谷が「勝手に決めんなよ!」とテレ朝あたりで聞き覚えのあるセリフを口にして、晶の前に出る。そして、改めて自分とやり直してほしいと懇願する。

呉羽とカイジ

戻ってきた晶は再び恒星と話を始める。朱里が無事見つかったことを伝えると、恒星は何も知らなかったように「そっか」と言う。またも、恒星は本当のことを言わない。晶が「京谷がよろしくって言っていた」と伝えると「キモ」と返す恒星。

恒星「晶さんってああいう男が好みなんですね~」

「何?突然。」

恒星「いや、別に」

「恒星さんの好みは呉羽さんでしょ?お互いに全然違うね。」

恒星「俺、髭だしな。」

「キモい笑顔だし。」

恒星「今はキモくない。」

何これ。恒星の嫉妬とも思える言い方に、萌えてしまった。これもう好きだって言ってません?笑 そんな絶妙な雰囲気に差し掛かったところに、二人にまた電話がかかってくる。今度はこっちの方が大事な話だから出ない、という晶と恒星だが、鳴り止まぬコール音に耐えられずお互いに電話に出る。恒星宛の電話が橘カイジから、そして晶宛の電話は呉羽からだった。二人は橘夫妻に呼ばれ、呉羽が軟禁されているホテルを訪ねる。

呉羽の謝罪会見

今回の呉羽の炎上騒動と日本の体質に嫌気が差し、勢いでオーストラリアに移住すると言い出すカイジと呉羽。それはあっさり冗談だとしつつ、現実は謝罪会見をすることになったと言う。いかにも謝罪マナーに沿ったようなネイビーのワンピースを手に、ロボットのように謝罪文言を言う呉羽。本当にいいの?と心配する晶に呉羽はこう話す。

呉羽「私が手術した時、あの時カイジが言ってくれたんだよね。『くれちんはなにも失ってない』って。『芋虫が蝶になるとき、さなぎの中で劇的に変化する。それはちっちゃな芋虫自身の力で変化しただけ。くれちんは新しいくれちんなんだよ。』それを聞いてカイジにプロポーズしたの。『いいよ』って言われた時鐘が鳴ったよね~♪リーンドーン♪って。」

「ん?鐘の音って後から鳴ったの?恋に落ちたときじゃなくて?」

呉羽カイジの時はね。荘厳な音色だった。」 

そして呉羽の謝罪会見が始まる。不躾なマスコミからの質問が続き、子どもの予定について聞かれると、呉羽がとうとうキレる。「あのさ・・・結婚って子ども作るためにするの?一緒にいたいから結婚したの。それ以上なんかある?」マスコミはここぞとばかりに呉羽に反省していないのか?と責めると呉羽はこう返す。

呉羽「反省してます。ここにこんな恰好でのこのこ出てきたことに、反省しています。橘呉羽はカイジの妻である前に、呉羽です。これからも好きに生きようと思います。カイジと一緒に。」

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取材に来ていた記者たちは会見を終わらせ帰ろうとする呉羽に、何しに来たんだ!と投げかける。それに対する呉羽の答えが最高にカッコよかった。

呉羽「自分以外の何物にもなれないことを確かめに。」

ホテルの部屋で見守っていたカイジは嬉しそうに呉羽を迎えに部屋を飛び出す。残された晶と恒星は再び話の続きをし始める。恒星が言いかけた、仕事を失うかもしれないという話について聞く晶。呉羽やカイジみたいな潔さは自分たちには真似できないとしつつ、人に支配される人生はもうごめんだと言う恒星。そんな恒星の話を聞いて、何かを心に決めたような晶は、バカか?と聞く恒星に「いいんじゃない?バカで」と肯定する。

自分の人生を取り戻すために

晶と恒星はホテルを後にし、晶はその足で朱里がいるネットカフェに向かう。呉羽の謝罪会見を見ていた朱里は晶の訪問に驚く。晶は朱里が置いていったウサギのキャラクターの置物を手に、朱里に合う場所が必ずあると声をかける。そして、自分も探すと加える。朱里は晶の温かな言葉に涙を流さずにはいられなかった。

翌日、晶は出社すると九十九に改めて話を聞いてほしいと声をかける。そして、朱里の退職願を渡す。そして、九十九に私たち社員をどう思っているのか問う。

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「社長が言うように、社員は替えが効きます。だけど私たちにとっても、上司も替えが効くんです。社長の怒鳴り声はまるで恫喝です。」

九十九「俺かてな、仕事がきちんとできとったら怒鳴ったりせんわい。」

「普通に話してほしいんです。矢継ぎ早の命令も追いつけません。」

九十九「普通のスピードやろ!どんだけちんたら話したらええっちゅうねん。」

「みんなが社長と同じじゃないんです!」

九十九「お前らがボンクラなんじゃ!」

晶「社長以外全員ボンクラなら社長の言葉は社員の誰にも通じて無いことになります。悲しいと思いませんか?私は悲しいです。社長と言葉が通じなくて。一方通行の関係はしんどいです。私は社長の下で働く人間です。“人間”・・・“人間”だから苦しかったり、悲しかったり、間違えたりもします。もう限界って思ったりもします。今までお世話になりました。自分を殺して本当に死んでしまう前に、辞めます。ちゃんと引き継ぎはします。失礼します。」

九十九「ちょっと待て深海!こんなん認めへんぞ!何が不満やねん!」

佐久間「何が不満かたくさん言ってきたよ!!!俺も深海さんも。少しくらい聞いてくれたっていいじゃない!」

佐久間の加勢を皮切りに、夢子や他の人も次々と九十九に不満や聞いてほしいことを口に出す。そして、上野は神格化した晶への依存から卒業し「次の職場でも頑張ってください!」と送り出す。そんな姿に夢子は「よくやった!」と拍手する。

その頃恒星は、事務所で先輩に不正に加担していたことを告白していた。税務署に自らの不正加担を告白し、関連会社の脱税調査を促そうとしている恒星に、自分の人生をかける必要はないと止める。そんな先輩の言葉に恒星は「自分の人生を取り戻そうと思っている」と返す。そして、税務署に向かい、すべてをあきらかにした。そのままその足で、不正の依頼主の会社に乗り込み、お金と書類を突き返し不正を暴露したと告げる。「もう手は貸さない」とはっきりと断り、併せて一発お見舞いする。してやったり!という顔でその場を逃げる恒星の目はとても輝いていた。そして、ひっそりと事務所を畳み、町を出てしまった。

幸せは私たち次第

5tapが2周年パーティを控え、恒星の行方を心配している晶。恒星が大好きなサブローも、同じく心配していた。そんなサブローが働くラーメン屋で朱里は住み込みで働き始めた。何だかサブローと良い感じだ。夕方過ぎ、晶の家には京谷が訪ね、先日の返事を聞く。「ごめんなさい」と断る晶に一瞬ショックを受けるも、やっぱりなと納得する。「俺も幸せ探すかー」と言う、その顔はとても朗らかだった。

京谷が帰り、晶は一人冷蔵庫からビールを取り出し飲んでいると、電話がかかってくる。それは恒星だった。「生きてたんだ?」という晶のいじらしい聞き方に、「死なねえよ」と返す恒星。たわいもない話をする中で、「ビール飲もうよ。一緒に飲みたいよ」と翌日に迫った5tapの周年パーティに誘う晶。その声はもうかつての晶じゃなかった。

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そして迎えた周年パーティの日。賑わう5tapの店内にはサブローと朱里、そして夢子・上野・佐久間に連れられて九十九も訪れる。しかし、そこには晶と恒星の姿はない。二人は違う場所で再会していた。そこは1年前二人が飲めなかった那須のヴィンテージビール「NINE TAILED CATS」という希少なビールを製造するブルワリーだった。不正の暴露によって全てを失った恒星が命があっても人生終わりと自虐的に言うと、晶は「終わってないよ。変わっただけ」と言い換える。かつてカイジが呉羽を救った言葉だった。ビールの熟成に例え、苦味がいつか無くなると前向きに話す晶に、恒星は笑いながらビールを注ぐ。二人が乾杯する頃、5tapでも皆が乾杯し、呉羽とカイジシドニーで乾杯し、京谷は合コンで乾杯をし、皆ビールグラスを片手に、あらゆるしがらみから解放された笑顔でその瞬間を楽しんでいた。

晶と恒星は最後の一杯を飲み終えると、近くにある教会に足を運ぶ。16時に鳴るという鐘の音を待ちながら、晶は切り出す。

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晶「鐘の音が鳴っても鳴らなくても、一緒にいることはできるかな?」

恒星「それはわからないけど、俺たち次第じゃない?」

二人は教会の鐘を見上げながら、晶は手を伸ばし、恒星の手を握る。それを恒星は握り返すのだった。

 

やっと、感想。

友人があらすじ読んでくれてるって言ってくれたので、思わず長くなってしまった。

第9話の「間違えた!」は、文字通りの間違えた!だった。(でも私的には、そういう夜だってあるんだと思うのですよ。晶やはり真面目。)二人はお互いを人として認め合えて壊したくなかった仲だったからこそ、一線を超えたことを後悔していたんだと思う。それをゆっくり話したいのに、邪魔の入ること入ること・・・。まるでアメリカのお茶の間でよく見るsitcom(シットコムシチュエーション・コメディ)のようだった。1日ってこんなに長かったっけ?と言うくらい、色々なことが起こる笑。間延び感なく観られたのは、野木さんの脚本のテンポの良さだからこそだと思う。

また、それぞれのセリフがとてもよかった。特に呉羽のかっこよさには惚れ惚れ。言う事一つ一つが「ほんとそれ」。そして、カイジの包容力・・・見習え京谷!笑、呉羽じゃなくても鐘が鳴るわ。一度失敗しても、晶や恒星が再度立ち上がり爆弾を投げられたのはこの二人のおかげだし。この呉羽というキャラが、闇に迷う晶たちを導く光となっていたと思う。とにかく、セリフがものすごく丁寧に作り込まれていたドラマだった。

晶を演じてる新垣結衣も目線とか声のトーンとかが「感情的に近づきすぎると傷だらけになると警戒して、ある程度距離を保ってる感覚」が絶妙で、ものすごく考えて演じられてると思った。結構晶や朱里にはイラついたんだけど、数年前の私を見ているようでとても愛おしいキャラクターだった。恒星は言葉数は少ないけど、間の取り方がさすがだなと。松田龍平は佇んでるだけで絵になる。田中圭は言わずもがな。でも今まさに引っ張りだこの彼が、あえて女性の反感を買うようなキャラを演じるとは。いるいるこういう男、という感じにぴったりとハマっていた。

わかりやすい感動を望む人にとっては、アンナチュラルの中堂さんの言葉を借りると、クソつまらないドラマだったと思う。晶は京谷と別れるのも、仕事を辞めるのにものすごく時間がかかったし、朱里は結局仕事から逃げてしまったし、呉羽はやっぱりぶっ飛んでるし、恒星も晶のことどこまで考えてるかわからないし、京谷も結局は合コンで家庭的な女性を見つけあっさりと家庭を築くだろうし、九十九も結局は変わらずまた新たな社員に怒鳴るのだろう。ドラマとして晴れやかなラストを望んでいる人とっては、腑に落ちなかったのかもしれない。

でも、今私たちが生きている現実にそんなわかりやすい正解とか、結末とか転がってるだろうか。そんなことは滅多にない。一生懸命生きていると、色々複雑で曖昧なことばかりだ。だからこのドラマは、白か黒かと正解を求めがちな社会に対して、あえて曖昧さを描く点がとてもチャレンジングで良かったと思う。少なくとも私は「そう思って良いんだ」と、様々なシーンに共感してクソ救われた。

私たちは知らず知らずに人から求められた役割の上で生きていると思う。心からそれを望んでて幸せに感じているなら何も問題はない。しかし、それが強いられたもので、自分を殺さなければいけないほどでは問題だ。この作品は、その表面では見えない支配を映像化して見せてくれた。いつのまにか誰かに支配された人生を自分で一度壊して取り戻す再生の物語として、華やかでわかりやすくはないけれど、めんどくさいこの社会で一生懸命生きている私たちに一筋の光を見せてくれたように思う。人生のチャンスは一度きりじゃない。失敗したって、大切なものを失ったって、何度でも取り戻せる。「今何してんの?」「一緒に飲もうよ」って言える人ができる、ってことが単純なことが幸せだったりする。人は、意外と思ったより一人じゃない。そんな希望を見せてくれたドラマだった。

今日もどこかで誰かと、一人でも、乾杯!

 

追記。

ブログタイトル、やっぱ前のに戻そうかな・・・

ま、いいか。自分以外の何者にも「なりきれない」女ですもの。笑笑

『獣になれない私たち』晶と恒星が投げた爆弾の行方は

逃げ恥の第9話で大どんでん返しをした野木さんはやはり甘くなかった。そう、現実は甘くないんだよ。最終回目前でこう持ってくるかと驚かされた第9話。※ここからめちゃくちゃ長く、完全ネタバレとなりますのでご注意ください。

穏やかな朝

ゲームを夜通ししていた晶と恒星は事務所で朝を迎える。ぼんやりとした朝日の中、二人はコーヒーを飲みに出かける。店に向かう途中の不動産屋の前で、晶は立ち止まる。「ご希望は?」と恒星は店員のように尋ねる。間取り、築年数、部屋の階数・・・次々と希望を言う晶に恒星は苦笑する。絶対譲れないものは「住み心地」という晶に、住まないとわからないでしょ、と恒星は突っ込む。もうすぐ部屋の更新だという晶と、不正書類の処理期日が迫っている恒星。どうにもならないのか尋ねる晶に「一度始めた悪事は続けなきゃならない」と答える恒星。それを晶は肯定し、カフェのカウンターバーで二人は朝ごはんを食べ、穏やかな時間を過ごす。

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冒頭の数分の間に、ものすごい穏やかなシーンが。これ普通だったら恋愛ドラマのワンシーンじゃないですか。お店出た後、手をつないでてもおかしくない空気感。晶に「もう電車のホーム怖くない?」と聞く恒星が優しすぎて・・・。でも、あまりにも穏やかで幸せすぎて、ここからズドンと悲しいことが起こるんじゃないかと身構えてしまった私。晶も恒星にすっかり心を開いていて、ずっとこの陽だまりに包まれていたいほど優しいシーンなのに、胸がざわつくのはなぜ・・・。

 

不穏な空気

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晶の会社・ツクモクリエイトジャパンでは、夢子と上野が新規契約を取り、朱里もすっかりSEチームに馴染み、雰囲気が良くなってきていた。そんな中、社長の九十九は晶を「特別チーフクリエイター部長」に再昇格させ、朱里を「社長秘書」に任命する。突然の辞令に理解できない晶に、SEの佐久間は「俺のせいかも」とつぶやく。晶の働きで営業利益を上げ、佐久間や他のSEを昇給することで退職を防ぐためではないかと話す。過度な期待に加え、さらに朱里の面倒まで見なければならない晶は、不安を隠せない様子だった。

一方で恒星は、呉羽のスキャンダルに巻き込まれる。結婚前の奔放な呉羽の男性関係が週刊誌に載ってしまい、恒星とのツーショットもその一つとして載ってしまったのだ。5tapの前には記者が集まり、マスターのタクラマカン斉藤は頭を抱えてしまう。呉羽自身は大したことと思ってる様子はなく、記者の前で挑発的な対応をして火に油を注いでしまう。後にその影響でカイジは対応に追われることとなり、呉羽はこれ以上騒動を大きくしないよう一時的にホテルに泊まるよう、カイジの部下に釘を刺されてしまう。

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視聴者の心に波風立たせるのが野木亜希子さんは上手いんだよね。晶の再昇進や朱里の秘書登用は不穏の始まり。でもその前に社長の九十九がシグナルを出していた。九十九は晶や他の社員が順調に仕事をこなしていくのを見て、「自分よりあいつの方が認められてるんちゃうんか」そんな不安で九十九の心はいっぱいだったのかもしれない。佐久間に前回ズバッと経営者に向いてないと斬られたことで、彼なりの自尊心が崩れてしまってるのかと思う。とにかく、晶への警戒心むき出しの視線が怖かった。呉羽のスキャンダルの結末はこの時点では少しまだわからないけど、自由だった呉羽から自由が奪われ、平和なオアシスだった5tapに嵐を呼びそうでなんだか怖い。そして別件だけど、とにかく呉羽のファッションがすべてにおいてツボすぎる。人様に迷惑かけちゃうほど可愛いからスキャンダルも仕方ない。(そう思わせる呉羽が罪深い。笑)

 

女3人と男2人

その週の日曜。朱里がのんびりネットニュースを貪っていると、京谷の母・千春が急に訪ねてくる。もちろん千春は朱里がいることを知らない。鉢合わせした二人はパニックとなり、千春が慌てて京谷に電話している間に朱里は荷物をまとめ、うさぎのたっちんを連れ、隙を見て晶の家に逃げ込む。そんな事情を知らない晶はすでに千春から家に来ると連絡を受けて了承していた。そして晶の家で三人は鉢合わせしてしまう。5tapに移動し、今までについて説明する晶。その異様な光景をたまたま飲みに来た恒星とタクラマカンは心配そうに見ている。事の成り行きを知った千春は「育て方を間違えた」と京谷について晶に詫びる。そして、改めて挨拶する朱里に対しての過去の振る舞いについても謝る千春に、朱里は京谷がいたから今生きていると感謝する。そんな二人の姿を見て、晶は思わず泣いてしまい、つられて朱里も千春も泣き始めてしまう。

遅れて京谷が到着する頃には、3人はすっかり打ち解け女同士で盛り上がっていた。訳がわからない京谷は恒星の隣に座らされ、「女の人って何考えてるんだろう。」と首をかしげる。隣に座っている人が恒星だと改めて警戒し、晶との関係について問う京谷。晶とはただの飲み友達で、過去に晶と寝たというのは嘘だと告白しつつ、晶のことを「性別関係なく人間として認め合える貴重な存在。失うのは惜しい」と大事そうに言う恒星。そんな恒星の様子に、京谷はますます焦るのだった。

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ここでやっと千春にも元凶は「京谷」だったということが初めて理解される。でも、普通じゃありえないけど、元カノ2人と元凶の母親が3人で盛り上がるというのは少し心が軽くなった。ここでうちの京谷は本当に良い子なのよ!だから晶ちゃん!!ってならなくてほんとよかった。田中美佐子のちゃっかりしたおばちゃん演技が本当に上手くて、嫌味がなくてとてもよかったな。(とりあえず私は義母がいきなり押しかけてきたら断りますけど笑)そして、京谷、そういうとこだよ。“女の人”って性別で人間性を一括りにくくっちゃうとこだよ!!そこが恒星と違う。いや、恒星もそうだったかもしれない。人間として認めあえる晶と出会ったことで変わったのかもしれない。

そして、晶が変えたのは恒星だけではなかった。朱里だ。一緒にパジャマトークをするほど心を許しあえるとは。さすが同じ敵を持つと強い笑。今は多くの人と関わりを持つことで一人を意識せず生きていけると言う晶に対し、最終的には誰かに愛されたいと言う朱里。あんなに嫌な女に見えた朱里が、仕事をし始めたことで自信を取り戻し、人から愛されたいと願う姿に感情移入し始めた人も多いのではないだろうか。少なくとも私は朱里の「愛されたいなぁ」という言葉に胸がきゅっとなり、応援したくなったのだ。しかし・・・その儚い願いに残酷な現実が突き刺さる展開に。野木さん容赦ない。

 

所詮他人

月曜日、寝坊した晶と朱里が遅刻寸前で到着すると、待ち構えていたのは怒り心頭の九十九だった。朱里は日曜だからと九十九からのタスク連絡を無視していたからだった。血相を変えて慌ててとりかかる朱里を見て、晶は九十九にもう少し余裕を持たせるよう願い出ると「自分が指導しろ!」と追加の営業ノルマとともに跳ね返される。九十九の有無を言わさない態度に晶は胸に秘めた退職願を取り出そうとするが、頑張ろうとしている朱里を見て手が止まってしまう。そこから、晶のフォローが追い付かないほど、九十九は朱里に対して怒涛のようにタスクの指示を出していく。IDカード・名刺・手帳をもらったことで、少し嬉しそうにする朱里。何とか喰らいつこうと必死にそのタスクをこなしていく。しかし、それでも九十九は晶の方が出来が良いと朱里を叱りつける。

そんな中、朱里がミスを冒す。朱里がメールを作っている際に九十九が横やりで指示を入れたため、慌ててしまった朱里はメールアドレスを取り違え機密情報を他社に送ってしまったのだ。朱里は九十九のお使いから戻ると、自分のせいで大変なことになっていると知り、IDカードを置いてその場を去ってしまう。

一方で、恒星が企業監査のヘルプをしていると、そこの経理部長が以前告発してきた大熊を解雇したという報告をしてきた。口封じをされたのだと察すると「大熊の負け」と虚しそうに言う恒星。その後、帰り道で待っていた大熊に話しかけられる。退職金や老後の生活を考えると戦えなかったという大熊に、それが普通ですよと言葉をかける恒星。大熊は切り札としていつか使うつもりだった架空取引の記録を、泣きながら破り歩道橋から投げ捨てる。

その夜恒星が5tapに寄ろうとすると休業していた。そこに晶が通りかかる。朱里が手帳に「ごめんなさい」と残し、晶の家から失踪したのだ。何もできなかったと嘆く晶に、他人は所詮何もできないと、慰める恒星。朱里の書き置きを破り捨てるのだった。

 

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苦しい。やりきれない。朱里のミスは本当に些細で、焦りから誰でも起こりうること。自分のふがいないミスのせいで会社で大騒ぎになっているというのは、本当にいたたまれない(自分も過去に経験あるから辛い)。朱里は何とか社会に復帰しようと必死になっていた時だから、些細なつまづきでも大怪我になってしまう。また心が折れて自己否定のループに陥ってしまう。頑張れなかったとサブローの前で泣き崩れるシーンは思わずもらい泣きしてしまった。そして、大熊の涙も辛かった。築き上げてきた生活を守らなきゃいけない、何としても生きていかなきゃいけない。だから結局人は権力の前では戦えない。それが当然と諦めなきゃいけない現実をまざまざと見せつけられて、私たちは何を支えに生きていくのか。恒星の言うように、他人はどうにもできないし、所詮自分で立ち直るしかないんだけど、映像が現実とリンクしすぎて色々思い出して泣けてしまった。ただのドラマの世界じゃないよ、もう。登場人物は私が生きる世界の中にいる。

 

投げた爆弾の行方

事務所に戻った恒星は粉飾決算の書類を作り終えた。しかし、作った書類を破り捨てる。次の日、取りに来た依頼主に恒星は「もうできない。勘弁してくれ」と何度も頭を下げて断ろうとする。しかし、依頼主は不正に加担し会計士として今後不利になるのは恒星だと迫られ、結局断ることができなかった。

一方で、晶は出社しても朱里に連絡を取り続けていた。朱里のデスクには「落ち着いてガンバレ」「必要な人になる」など自分を鼓舞する付箋が貼ってあった。そんな中、九十九が朱里のことを笑いながら批判して周囲の部下に同意を求めていた。大声で怒鳴り散らし、朱里のミスを「やる気が足らないから」と言う九十九に対して、とうとう晶は我慢できなくなる。

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「はぁ?やる気?やる気があれば何でもできる?やる気ってそんなにすごいんですか?仕事ですから、働いてお給料もらわないと生きていけないから働きますよ。いらないやつだって思われたくないんでできることはします。社長に逆らうと怖いから!面倒だから!みんなめちゃくちゃだと思っているのに表向きには要求を聞いて…目の前で怒鳴られても誰も助けない!これが平和ですか?みんなにそうさせてるのは社長です!こんな会社でどうやって働けって言うんですか?!」

九十九「ほな辞めたらええ。さっさと辞め!今すぐ辞め!文句歯しか出えへん社員いらんのじゃ。ここは俺の会社や!深海一人おらんでも、どうとでもなる!前の営業部長辞めた時も同じや。どうとでもなる。みんなそれが分かってるから何も言わへんねん。なぁ!?」

九十九にそう言われた晶は、意気消沈して出過ぎた事を言ったと詫び、会社を後にした。そして、雨の降る中行き着いたのは恒星の事務所。恒星は不正書類の作成を断るために依頼主に土下座した後だった。その様子を見た晶は「どうにかしようとした?」と聞く。恒星は「うん、した。でもだめだった。晶さんは何かあった?」と返してくる。晶も初めて吠えたこと、それが跳ね返されたことを言う。

恒星「爆弾投げた?」

「投げようとして投げられた。私は必要なかった。」

そう言う晶の目元を恒星は優しく触れ、抱き寄せる。そのまま頬にキスし、二人は求め合うように抱き合ってキスをする。そのままベッドに入り、二人はとうとう一線を超えた。その翌朝、晶は先に支度をして恒星の事務所を出る。その様子を恒星は背中越しに感じながら、まだ寝ているふりをして何も声はかけなかった。晶は事務所を出るとこう言う。「間違った!?」

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うーあーーーー。九十九や周りの反応に見覚えがありすぎて、若干過呼吸になりそうだった。実は晶と同じことを私もしたことがある。私が以前勤めていたところでは、公然とミスを批判する上司がいた。私を含めた同僚に対して公開処刑のような叱責が続き、とうとう私も上司に食ってかかった。しかし結果は晶と同じだった。私も皆で助け合える環境を作るために吠えたが、一緒に吠えてくれる人はその場にいなかったのだ。その後結果的に私は辞めたが、この人たちに何言ってもしょうがない・・・と非常に落胆したことを覚えている。(ちなみに残業代未払いや有給をもらえないということもあったので、私はこっそり労基に通報して辞めたけど。晶にその勢いはあるのか・・・)

もちろん、ミスは無い方がいいし、仕事はできるに越したことはない。でも問題は環境だ。誰も批判されている人も守らない、誰も声を上げられない環境は人を変えてしまう。人は命令され、威圧されるのが常態化した環境にいると他者に対して残酷になる。そういう環境の中では、皆自分を守るために「上司の命令に従っているだけ」と思うことで自分の行動を正当化してしまう。晶が言っていることは正しいと皆思っているけど、それに同調することはしない。むしろ「そんなこと言うなんて馬鹿」と思っているかもしれない。もうその時点でおかしいのに、おかしいと言えない人間性を作ってしまうのが怖いのだ。晶は少なからず自分は必要とされているということでここで働く意義を見出していた。その意義を叩き潰されたのだから、ショックは計り知れない。悔しいけど、フランス革命のように皆が立ち上がり社長をぶっつぶす!という展開は本当に虚構の世界なんだなと見せしめられ、胸が苦しくなった。

恒星も同じくして、権力という鎖を断ち切ろうとしたけど、結局はみぞおちにパンチくらって、足枷を外すことはできなかった。そんな傷ついた二人が甘えあう様は美しかったけど、儚くて切なすぎた。恒星の手は優しい。朱里の書置きを晶がもう見ないようにびりびりと破く手も、晶の涙を拭おうとする手も、その顔を包み込む手も。でも恒星自身も晶を慰めることで、自分の心を整理してたんじゃないかな。愛があったとしても、このシーンは盛り上がるほど嬉しくはならなかった。むしろ苦しかった。これじゃ何の解決にもならないから。だからラストの晶の我に返った「間違えた!」は「恒星との刹那的な営み」に、ではなく「これで解決じゃなかった!」であってほしい。

最終回前にこんなどんでん返しを持ってきた野木さんの脚本には、本当に恐れ入る。みんな戦った!自由を勝ち取った!ウォー!となれば確かにHAPPYなのかもしれない。でも現実はそんなんじゃない。ただのドラマで終わらせないぞ、という野木さんの意気込みを感じるのだ。もはや晶と恒星のラブなんてどうでもいい笑。今夜の最終回ではどうまとめるのか数パターン考えてしまうけど、願わくば、辛すぎて逃げたくなるほど苦しい中にも少しの光を見せてほしい。人を救うのは人しかいないから。人とのつながりの中で生まれる希望を最終回で見られることを期待している。

 

自分でもびっくりするくらい長くなってしまったけど最後に。

ガッキー♡とは気安く呼びたくなくなるほど、このドラマは新垣さんの新境地だと思う。ほんと批判の多いドラマだけど、私はとてもチャレンジングで良いと思う。そして、松田龍平の色気ぇぇぇ!!!浴びたい。こういう切ないシーンに雨降らせる演出が憎たらしいほどベタだったけど、映像が綺麗すぎた。眼福。

以上。笑